【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

自社に戻らない? 戻れない? ヒトたち

2009-06-13 06:40:00 | メルマガ移行
【my格言】
-豊かな生活をしようとする努力は、必ず報われる。
 カネ持ちになろうとする努力は、報われないかもしれないね(20090416)


(格言と本文とはほぼ、関係ありません)

 
 
おつかれさまです、龍澤です。

  
パートナー会社のヒトで、現場に長いヒトっていますよね。。
もう、10年選手か? ぐらいの。
ヌシですよね。

 
そういうヒトたちに対しては、なんともいえない、アンビバレントな思いがある。
賞賛すべきなんだろうけど若干批判的、みたいな。。

でも、僕からみると(勝手ながら)同類、仲間。
応援はしたいんだけど。。

 
そこの現場の歴史を誰よりも知っている、生き字引。
過去の大障害とか、今稼動してるシステムのカットオーバ前の修羅場とかももちろん経験済で。。

当然、そこのシステムも熟知している。今、なぜこういう仕組みになっているのか? を身体で知っている。

 
社員の移り変わりも見てきている。社員はほとんど入れ替わってしまい。。
特に管理職、すなわち現場における上司は数年で入れ替わってゆくので、10年前のリーダが今は役員クラスだったりして。。(それがちょっと自慢?)

そして、戦友というかね、同じようにヌシみたいな社員もいる。現場に長い者同士で、仲がいい。(ことが多い)

 
自社には滅多に帰らない。自社にはもちろん席もないし、現場のほうが居心地がよくなっているし。。
現場のほうに帰属意識がある。

自社のチーム会とかにも呼ばれず、報告はメールで済ませれば事足りる。そういう間柄。

 
現場においては、過去の実績により、上司(その現場の)の信頼も厚く。。
結局生き字引だから、そこの現場で、そのヌシがいない状況が考えられないわけね。
ヌシがいないと、困ることが多いから。

現場で、「必要とされている」という充実感がある。
席すらない自社よりも、そりゃあ、必要とされてる場所にいたいのは当然だよね。。

  
  
僕の経験上では、そういうヒトはインフラよりもAP運用、業務運用側のヒトに多い。(いわゆるムカシの「システム開発部」ね。)
ムカシはAPは作りこみだったから、業務知識と合わせて、開発部はそれぞれ超属人的だったし、多くのところは今でもそうだ。
古いシステムはそういった「ヌシ」がいないと皆目わからん。メンテができない。特に、後から新しいシステムが入ってきたときのI/Fまわりのところで。。
過去のドキュメントをみたところでうわっつらだけしか書いていないから、「なぜ、今こうなっているのか?」がわかるヒトがいないと、どうしようもないことがある。
古いシステムはまだまだ、いろいろな会社で現役である。(NT3.5.1とか、へーきでマシンルームの片隅においてある)

 
 
そして、そういうヒトは二次請けに多い。
二次請けだから、そのヒトの自社はそれほど大きいところではない。

その会社にとってみれば、常駐先に放置しているだけでいくばくかのカネが入ってくるわけだから、そういう人身売買ビジネスがもっともカタいわけだ。

 
一次請けの、現場リーダはしょっちゅう入れ替わるんだよね。そして、実務は二次請けに丸投げ。
だから、現場におけるナレッジはどんどん、二次請けの人間のほうにたまってゆく。

一次請けのヒトたちはみんな、現場に長くいたくないんだよ。「島流し」みたいなもんだから。。

  
  
僕はもともと、そういう、マネージメントのほうにいかないヌシみたいな人間を、組織において窓際に追いやらず、もっともっと厚遇すべきである、という立場なんだけど。。
そういうヒトたちの持つナレッジを、うかつにアウトソーシングしてはならない。

でもさ、そういうナレッジは社員が囲っておくべきであって、常駐しているパートナー会社の人間が蓄積していてはダメなんじゃないかと思うのね。(ましてや「二次請け」をや)

それは、パートナーシップじゃなくてただの依存というか。。そんな気がしてならない。

 
 
で、結局、何が書きたかったかといえば。。(前置きがものすごく長くなってしまった)

そういう、現場のヌシに対する批判的なところね。

もういいトシなのに、常駐先に「安住」しているのはなぜなのか?
自社で求められる人材じゃないから、そこにいるんじゃないの?

などなど。。

別な会社とかに放り出されっぱなしの常駐SEって、結局のところ、決してレベルが高いヒトたちではないんだよね。。カナしいことに。

 
PJとかで、一時的に、SIerのエース級が常駐するということは、もちろんある。
でも、そういうヒトたちはあたりまえだけどひと段落したら自分の会社へ帰ってゆく。なぜなら、次の仕事があるから。
そういう、エース級はどんどん動かすことで、会社はもっと儲かる。本人も、一箇所にとどまることを望まない。野心もある。

 
僕は思うんだけど、その会社(常駐先)にも問題はあるんだよ。そういう、放りだされっぱなしの、レベルが高くないSEを重宝しているところに。

その現場が会社の情報システム部だとしたらさ、社員なんて、新入社員のころちょっとパソコンが詳しかったからシステムの構築やらされました、で、今に至る、みたいな、システムエンジニアリングのいろはすら知らないヒトばっかなわけで。

だから、SIerにおいて二線級の人材であっても、重宝されちゃうんだよね。(たとえばTCP/IPのことをちょっと知っているだけで!)

 
二線級の人材をそろえて、新規開発案件が立ち上がったとき、受注したSIerの精鋭たちと「闘う」わけだから。。
だからSIerにはナメられる。見積もりのときからナメられ、要件定義でもナメられ。。

SIerに、揉み手でへりくだるそぶりをみせながらもいいように操られ、SIerがやりたいようにシステムが構築されてゆき。。
結果的に「動かないコンピュータ」(by日経コンピュータ)ができあがってゆく。

 
 
なんだか書いててカナしくなってくるな、このギョーカイの構造。