【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

メカに強いということ(3) 「OS」と対峙する者たち

2008-10-04 05:44:36 | メルマガ移行
つい先日、偶然なんだけどこのトピックに関連するできごとがあった。

 
親戚の家にいったら案の定「ちょっとパソコンみてくれ」といわれ。。
オイラはパソコン屋じゃねーんだよ、と、親戚に言ったところでムダだから、まあとにかく見てあげたんだが。。

何が原因かなんてわからんちゅーの。
だって、「状況」すら相手は説明できねんだから。「なんとなくインターネットが遅い」だの、「最近よく固まるような気がする」だの。

なんかさー、そういうときってマジックみたいに「ほおら、なおりましたよ」なんて状況を、ものすごく期待されるんだけど。。
そんなんできるわけねーじゃん。過去の経緯を知らねーんだから。


こういうとき僕は、医者っていうのはホント、タイヘンな職業なんだろうなあ、としみじみと考える。

何かトラブルが発生したら、それには必ず原因があるんだ。
そしてほとんどの場合、ユーザがヘマをしてそれが原因になっている。

まず、それを聞き出せなければハナシにならん。「なんかしたような気がするけど。。おぼえてない」とか言われちゃったらこっちも「ならわかるわけないだろ」とつっ返してもよいはずなんだが。。

ユーザがどんなヘマをしたのかすら見事に探り出してくれ、ぐらいのことは要求されるからなあ。それがバカらしいというかなんというか。。
 
余談だけどWindowsのイベントビューアで過去ログを遡っていったところで、何もわかりゃしねーよ。見ずらいから。

 
 
閑話休題。

世の中には華々しいエンジニアってのが存在していて、たとえば僕のつたない脳内回路で短絡的に思い浮かぶのは「F-1」とか「飛行機」とかしか思い浮かばないんだけど。。

そもそもそういった華々しいハードウェアを制御してるのは、コンピュータなんだよね。

ということは、人間がOSに制御を代行させてるってことだ。

その事実は、あまりに一般ピープルには理解されてないような気がする。組み込み系だとOSは見えないからなあ。

白物(家電)にコンピュータが入ってるんだよ、と説明してみたところで小さいパソコンが埋め込まれてるようなイメージしか持てないのだと思う。

 
 
極論すれば、ノーマルな社会生活において「コンピュータ」とはオペレーティング・システムそのものだ。
 
コンピュータがなければ「メカ」は動かん。そして、その「コンピュータ」というのは人間がコントロールしてやらにゃならない。
 
OSはインプットがなければ動かない(と、僕は思う)。自律的に動いているように見せかけて実は自律的に動いているように見せかけるプログラミングがされているだけだ。
プログラミングをやるのは結局は人間だ。21世紀初頭の時点ではまだそれ以上の進化はしていない。

(いわゆる「研究所」レベルでどういう研究がされているのかは知らんけどね)

   
 
僕が知ってる範囲のいわゆる「メカニック」さんたちって、どうやらコンピュータには詳しくなさそうだ。

結局何が言いたいかというと、メカニックの根幹の部分は、もはや、汗水たらしてどうこうなるもんじゃねーんだよ、と。そこで満を持して「システム・エンジニア」が華々しく登場すべきなんだ。
(実際、登場しはじめてはいるんだが、イマイチ脚光を浴びてない)

それを、世の中のヒトたちにはわかってほしいんだよなあ。

現代社会の基幹部分の制御にまでOSが侵食しつつあるということ。そしてそれをどうこうできるのは「システム・エンジニア」しかいないのだということ。「システム・エンジニア」とは単なるパソコンに詳しいヤツの延長ではないのだということ。

「システム・エンジニア」はもちょっと、世の中から尊敬を集めてもよいはずなのだが。。

 
SFの世界でね、たとえばあと数十年後にOS(たち)がある程度の「知能」を持ち、地球転覆を企てたとしたらね、それと対峙できるのはシステム・エンジニアしかいないんだよ。
つまりSEとは、そういう状況における訓練された軍隊、兵士みたいなもんだ。
(僕らみたいなIT土方は、そういう状況において最前線で泥臭く闘う先兵隊になるわけだ)

 
そういう緊急事態にならないと、このギョーカイのヒトたちの評価が上がらないのだろうか。。
「緊急」とまではいかないまでも、もはや相当、コンピュータに世の中は侵食されちまってると思う。

まだOS(たち)は何かを企てるほど自律的に動いてはいないけど、現在、これほどまでにたくさんの人間がテクノロジーの進化のために工数をかけているのだから、何らかの突然変異、偶然がミックスされることにより「緊急事態」は起こりうると思うけどね。

 
(なぜか)人間は、ロボットだのなんだの、人間の代替となる、自律的に活動する「第二の人間」の出現を渇望する。そういう物体をつくりだすためにエンジニアたちは情熱を傾ける。その情熱により世の中は確実に進歩してきたのだろう。

僕は、冷めてるけどね。別にいらないと思うんだけどなあ。

もっともわかりやすい(?)Windowsのインタフェースの「進化」に対してこのギョーカイは非常に敏感である。仮に避難ごうごうであったとしても、多くの人間が代表的なOSであるWindowsの進化を、見守っているというのは間違いない。
それどころか、優秀な人間はどんどんMicrosoftに行ってしまえ、そして(自分はできないから、自分の代わりに)もっとOSを進化させてくれよ、ぐらいのことを思っている。

僕はそういうのにあんまり(ほとんど)興味がない。
 
 
NASAとかの宇宙計画が頓挫とまではいかないけど、若干冷めてしまったのと同じように、このギョーカイのテクノロジーの進化も、いずれ頭打ちになるのは目に見えている。

なぜならば、いずれこのギョーカイには資金が流入しなくなってくるからだよ。
それはなぜか? というのを僕はヒトにうまく説明はできないけれど、このギョーカイに棲息していればなんとなく肌で感じることができる。
そして、このギョーカイにいてそれを肌で感じることができないのであれば、それは鈍感だと思うよ。