ピラティススタジオ”フェルマータ”

2014年より板橋区・高島平および三鷹でピラティスクラスを開催。充実感のあるクラスを実践しています。

意識の側でできること。

2017-11-14 23:02:41 | 日記
寒くなってきましたね!電車内で咳をしたりマスクをしたり
している人を多く見かけると、風邪が流行っているんだな・・、と実感します。

 "なんか変だな"と思ったときは身体の方ではすでに不調や異変が進行していた、
ということはよくありますね。気づいた時にはすでに遅し、「身体が先」で
「意識は後」にやってくる、という知覚パターンは私たちの脳=神経システムの
仕組みからいっても不可避のようです。

 わたしたちは自分の細胞や免疫システムはおろか、自分の手や脚が体のどこに
位置しているか、ということでさえ、時に無自覚になり、コントロールを失って
しまうものです。

 …しかしながら、日頃から「身体」と「心」をひとつの全体としてとらえて
実践する者にとっては、なんとかしてこのパターンを変えられないものか、と
思うのです。

 少なくとも身体に異変が起きた時に、それを自覚しても慌てないでいられる
ほどの準備(=対処の仕方やアプローチ方法、視野の取り方、自分の感情との
距離の取り方)を持っておくことはできると思うのです。


 先日クラスである生徒さんが、興味深いエピソードをお話しくださいました。

 先月は大きな台風が日本列島を縦断しましたが、その方はちょうど折悪しく飛行機に
乗っていたそうです。乱気流により上下に大きく揺れる機内に居て、胸が気持ち
悪くなり、咄嗟に「胸の違和感をお腹の下に下ろす」ようなイメージで下腹部に
力を集めたそうです。

 お腹に位置するシートベルトがちょうどよい目安になったことで、そこから
「骨盤をCカーブ方向に傾けてお腹を入れる」というふうにすると、胸の違和感は
緩和され、シートの上にしっかりと座骨をつけて座っている状態が作り出せた
ということです。


 実際に誰もが不安になる状況にあって、平常心を保つことができる、ということは、
意識の側からみればとても大事なことだと思います。
(すこし大げさかもしれませんが、その場にいる全員の意識が同じ不安のベクトル
を向いたときに起こるであろうことと、そのなかの一人が冷静でいたことで回避
されうるできごと…そのようなことをつい連想してしまいます。)

 ともかく、ここで大切なポイントは、

・身体(胸)の違和感に気づけたこと。
・対処の方法を探ろうとしたこと。
・実際にそれを見つけて実践したこと。

 という気づきのプロセスなのだと思います。
予測のつかない気象条件、限定された身体環境などといった状況は変えられない
けれど、

「それを体験する自らの状態は変えられる」

ということを示してくれたのだと思いました。