運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

先人たちの願い

2010年09月09日 10時32分15秒 | Weblog
…偉人は大変だ。
自分の死後100年経てば、著作権はフリーになって使われ放題だし、オリジナリティには関与できない。

ときにはまるで自分の言葉としてのように、かつて全然違うシチュエーションで言った言葉を引用されることにもなる。

きっと、いっぱい、いいたいことがあるだろう。
『俺をお前と一緒にするな、俺の言葉を言い訳や盾に使っていないで、己の果たすべき誠を尽くせよ』…とか、言いたくなってしまうときもあるかもしれない。

人の言葉ばかりを並べていても
実は自分の人生には反映しない
などということのないようにと案じているかもしれない。
自分の行動、自分の体験しか本当には身につかないものだ。

だから、人生は時に大変さを迫ってくる。
だから、どうか、
がんばってほしい、そう願って応援してもいるのではないだろうか。

沖縄の或る博士が、ふと目が覚めたら勝海舟と坂本龍馬が、ご自分のお布団の足元の上で、『この男、なかなか根性がなくて使えないやつですが見所はあると思うのです…』と、どうやら自分のことで、その二人が話し合いをしているのを、まちがいなく、夢でなく、目撃したという面白い話を聴いていてふと思ってしまった。

未来科学という学問によれば、今年から来年、日本は、かつての明治維新と同じサイクルにあり、激動の変革期となるそうだ。
子孫たちが気がかりで、歯がゆくて、偉人たちは、あちらにいっても、まだまだ気が休まらないのだろうか。

偉人は大変だなあ。
子孫の我々も、みんな本気だして、この今をがんばろう。


おおきな木

2010年09月05日 23時57分09秒 | Weblog
有隣堂店頭一面がグリーンだった。
春樹さんが翻訳した絵本シルヴァスタインの『おおきな木』の見事なまでの面陳。

どれどれ・・と手にとって、号泣してしまった。
たちまち目が腫れて、泣いたのが人目でわかる顔になったので
恥ずかしくカウンターに持っていけないから買わずに帰ってきてしまった。

男の子は、子供のときから、そして大人になっても、いつでも、いつまでも、男の子だ。
まったく、しかたない。
そして、木はいつも、せっせと、つい、差し出してしまう。おばかさんだ。
まったく、しかたない・・・。

ただ、それだけの、深い、真理。

いいんだよね。それで。

去るものと訪れる季節

2010年09月05日 01時25分26秒 | Weblog
月初の夜、外で一瞬、蝉が一段と激しく強く鳴いているのを聞いて、あ、最後の声だ、これで夏が終わるのだなって思った。

翌日から、やっぱり、暑いなりに風が秋の匂いになった。

今夜も蝉に替わったこおろぎが鳴いている。

酷暑が続き、ことさらに涼が待たれる日々だけれど、こんなふうに季節が移り変わっていくこと自体がいとおしい・・・。

今年は、暑さがはんぱではなくて、友人のペットたちも夏ばてになったり、弱ったり大変だった。

そんな中で、背中に天使の翼のような模様のあった、ドジでやさしくて、ジェントルで、愛すべき、垂れ目の老犬スノーも、一足早く旅立ってしまった。

その直前の葉山の海での写真を見せてもらったら、白く輝く光のかたまりみたいに、溌剌と嬉しそうな

姿があった。

海の好きだったスノー君、今度はどんな姿でめぐりあうのかな。


私たちの命がエネルギーの集まりだって、この夏、実感させてくれたオノデラ・ユキ展。

今日は、ユキさんの講演があったのだけれど、

前から楽しみにしていて、朝から整理券ももらったのに、打ち合わせが重なって結局聴けなかった。

すぐ近くにいたのに、とほほ。


ガーデンテラスを、秋をしのばせてはいるけれども、なまぬるい風が吹きぬけていった・・・。

さよなら、そしてこんにちは。