楽しい世界へようこそ!

人生を楽しく生きるための試行錯誤

ミトコンドリア病の治療法

2015-03-04 12:41:39 | 医療

 この前ミトコンドリア病を遺伝させないために他人のミトコンドリアを卵に移植するということについて書いた。それが新しい情報が出てきた。その研究をしているのが富沢一仁・熊本大教授(分子生理学)らの研究チームである。
 ミトコンドリア病はミトコンドリアのエネルギーを作り出す機能が落ちて起こる病気である。チームは、患者30人の血液細胞を分析した。その結果、特定の酵素の働きが低下し、ミトコンドリアがエネルギーを作り出すのに使うたんぱく質をうまく作れないことをを発見した。酵素の働きが低下すれば、それに応じて症状が重くなることも分かった。嬉しいことに、研究チームはこの酵素を代替する薬剤を開発している。マウスの細胞を使った実験では効果があったそうだ。この薬が実用化すれば、ミトコンドリアの移植という心に引っ掛かる治療をしなくてもよくなりそうだ。


ミトコンドリアの移植

2015-02-26 19:04:18 | 医療

ミトコンドリアというのを知っていますか?細胞の中にあってエネルギーを作り、供給するための小器官です。ですからミトコンドリアなしには生物は生きていけません。ミトコンドリア病というのがあって、これはエネルギーを作り出す機能が低い病気です。この病気は遺伝します。もともとそういう病を引き起こす遺伝子(ミトコンドリアの)が発現すると、その細胞は死んだり、動けなくなります。心臓で起これば心不全になるわけです。そこでミトコンドリア病の遺伝子を持つ女性は子供にそのミトコンドリア病を遺伝させてしまいます。(ミトコンドリアは女性のものを継承します。)そこでこの女性の卵からミトコンドリアを取り除き、他の女性のミトコンドリアを移植し、その卵に受精させて子供を作ろうというのです。だから、人間の身体を作るのは夫婦の遺伝子で、細胞内のミトコンドリアだけが他の女性のミトコンドリアということになります。これでミトコンドリア病は遺伝しません。ちゃんと機能を発揮し、安全にできるのであれば素晴らしい考えだと思います。

長生きしたければミトコンドリアの声を聞け―少子高齢時代を生き抜く真のサクセスフル・エイジングとは何か
大谷 肇
風詠社

血糖値の改善に温泉治療

2015-02-17 22:17:37 | 医療

 「みんなの家庭の医学」で言っていたが、酸性温泉につかるだけで血糖値が改善されるらしい。50歳ぐらいの女性二人が実験に参加していた。温泉に行く前、彼女たちの空腹時の血糖値が101と102で、血管年齢は80歳であった。そこで温泉治療効果を実証するために2泊3日の温泉治療に向かった。温泉だけの効果を調べるために、運動はなし、食事制限なし、という条件で治療を行った。温泉治療の条件は酸性泉で温度が41℃、入浴時間は5分、1日3回以内の入浴という条件であった。3日目の朝に測った空腹時血糖値は92と83とパーフェクトに通常値になっていた。血管年齢も40歳台と完全に若返っていた。
 はっきりとは分かっていないらしいが入浴によって、血管が伸縮し、それが血管を若返らせるらしい。そして血管が若返ると細胞からの糖分の取り込みがスムースになり血糖値が下がるということだそうだ。酸性の点は言っていなかったが、温まりやすいとか、血管を刺激するとか、そういうことかなと思った。温泉の素を買ってくれば家でもできそうだな。


エボラ出血熱に対するアビガンの効果

2015-02-08 09:13:19 | 医療

 ギニアでエボラ出血熱の患者へアビガンを投薬する臨床試験が行われてきた。その結果がフランスから2月4日に発表された。それによると、アビガンは80人に投与され、その結果死亡率は低くなり、回復の速度は速くなったそうだ。すばらしい効果があったわけである。アビガンは日本の富山化学(富士フィルムの子会社)の開発した、本来インフルエンザの薬として認可されている薬である。これが作用機序からしてエボラに効くと予想されていた。日本の企業が開発した薬ということで注目してきたが、この結果を聞いて嬉しい思いである。ウォッチしていた時のことを書いてみる。すべて臨床試験前だ。
 まず最初に投薬を始めたのがフランスである。当たり前のことだが、患者の命を救うという目的で複数の投薬を行った。その結果、患者が回復した。フランスはすぐにギニアでアビガンの臨床試験を実施することを発表した。僕は思った、アビガンが効いたんだ。
 次に投薬したのがスペイン。スペインがアビガンの投薬を発表した時、患者は重体だということであった。助けるのは無理かもしれないと思っていることが読み取れた。数日して次の発表があった。血管中のウイルスの数が減少しているがまだ重体だと。また数日して、エボラ自体は治癒しつつあるが、すでに多くの臓器がダメージを受けているのでまだ危険な状態が続いている、と発表した。次の発表は非常にハッピーな発表であった。患者が回復したと。患者も出てきて感謝のコメントを行った。スペインの報道は途中経過もあってよくわかった。よくやったアビガン。
 次に投薬したのがドイツ。ドイツは味気ない。最初、アビガンの投薬をすると発表した。次の発表は患者は回復してすでに退院したというものだった。プライバシーを考慮したためだろうがも少し何とかならないの?それにしてもアビガンは凄い。
 次に投薬したのがノルウェーだ。ノルウエーもドイツとよく似ている。アビガンによる治療を始めたというのと治ったというものだけだったと思う。ピックアップできていないだけかもしれないが。さすがアビガン。

 この4例があって、僕はアビガンの効果が確実なものであると確信した。 


がん転移を促進する遺伝子

2015-01-24 11:16:47 | 医療

 京都大付属病院放射線治療科の原田浩特定准教授らの研究グループががん転移を促進する遺伝子を発見した。HIF1とUCHL1という遺伝子である。HIF1は低酸素でもがん細胞を生き延びさせる遺伝子で、UCHL1はたんぱく質を安定させる遺伝子で、UCHL1の発現量が多いほどHIF1が活性化し、転移が進む。このことはマウスを使った実験で確かめられている。
 ここからは推論だが、そうするとがん細胞は低酸素状態にあることが多いのか、防御システムががん細胞を低酸素状態にするのかだな。まあ後者だろうな。もう少し進めると、がん細胞を低酸素にするための遺伝子がありそうだな。これ、無責任な予言。当たるかな? 


中学1年生で虫歯が平均1本

2015-01-23 22:57:40 | 医療

文部科学省の2014年度学校保健統計調査によると中学1年生の虫歯が平均1本だそうだ。30年前と比較して1/5になったと言う。虫歯になる原因を究明しその原因を取り除くとともに、歯の磨き方、歯磨きの進歩などがあったのだと思われる。虫歯がうつることを知ったのが大きいかもしれない。何にしても医療の勝利だ。平均1本と言うのはケアされていない子の虫歯の数が殆どかもしれない。そうするとケアを徹底するとほぼ0本になるのかも。その辺の情報も知りたいな。


がん転移を抑制する薬、セロシオン

2015-01-03 15:26:33 | 医療

中山敬一・九州大教授(分子医科学)らのチームが、がんを転移しやすくするたんぱく質を見つけたと発表した。がんは転移するとがん細胞の周りに「がんニッチ」と呼ばれるがんの成長を助ける正常細胞の組織ができるそうだ。この「がんニッチ」に正常細胞を呼び寄せるたんぱく質をがん細胞が出すのであるが、そのたんぱく質の働きを妨げる薬がセロシオンである。これはB型肝炎の薬で、これを投与されたマウスは明らかに転移が少なることが確かめられている。乳がんでは転移は0だったそうである。


MRSAに効果のある物質発見 -ライソシンE-

2014-12-09 12:36:49 | 医療

東京大の関水和久教授、浜本洋助教授のグループが、院内感染の原因菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して強力な殺菌作用のある物質を発見した。1分で99.99%を殺菌できるらしい。この物質はライソシンEと命名され、カイコやマウスを使って効果が確認された。各地から14000種の細菌が作り出す物質を調査し、2年7か月かけて見つけたという。エー、よくそんな短期間でできたな!はっきりとは書いていないけど、カイコが貢献したらしい。因みに、ライソシンEを作り出す細菌は沖縄で見つけた細菌だそうだ。