この前ミトコンドリア病を遺伝させないために他人のミトコンドリアを卵に移植するということについて書いた。それが新しい情報が出てきた。その研究をしているのが富沢一仁・熊本大教授(分子生理学)らの研究チームである。
ミトコンドリア病はミトコンドリアのエネルギーを作り出す機能が落ちて起こる病気である。チームは、患者30人の血液細胞を分析した。その結果、特定の酵素の働きが低下し、ミトコンドリアがエネルギーを作り出すのに使うたんぱく質をうまく作れないことをを発見した。酵素の働きが低下すれば、それに応じて症状が重くなることも分かった。嬉しいことに、研究チームはこの酵素を代替する薬剤を開発している。マウスの細胞を使った実験では効果があったそうだ。この薬が実用化すれば、ミトコンドリアの移植という心に引っ掛かる治療をしなくてもよくなりそうだ。
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