竜王戦第二局が昨日から始まり、1日目はノーマル角換わりから互角の布石が続いた。この両者はこれまで公式戦34局対戦して17勝17敗の五分の星。
この両者の過去対戦には不思議なデータがある。全34局の先手番が11勝、後手番が23勝と後手番がかなり勝ち越している。
第一局は後手番の豊島竜王が勝ち、今回第二局はまた後手番の羽生九段が勝った。何かあるのだろうか?
ということは第三局で先手番の羽生先生が勝つとかなり有利な七番勝負になるのだろうか‥‥。
1日目の最後に放った羽生先生の封じ手が、結果論であるが8筋を攻める素晴らしい突き捨ての8六歩だった。
2日目は羽生先生の積極的な指し手が躍動して、豊島竜王の長考が目立った。羽生先生の8九銀に痺れて一気に少し早い終盤戦に突入した。無駄な手数のない素晴らしい内容だった。
角換わり早繰り銀の戦型はもう研究し尽くされた感があったが、わからないものだ。まだまだ深い鉱脈の戦い方があるという番勝負になったと思う。
豊島竜王は30歳という若さで、指し手の発想が斬新であり老獪であり押し引きが実に機敏で上手い。研究会などの従来の研究手法ではなくて、AIを独自に活用して孤高に一人で研究、研鑽していく。
さあこれで一勝一敗のタイ。第三局、四局が11月にある。またとても楽しみな対局が続く。