プロの勝負の世界で通算勝率が8割を超えるなんて、全世界を見渡してもなかなかあるものじゃない。
将棋の藤井棋聖が8割3分という化け物みたいな勝ち方をするから世間の人たちは、その快進撃に勝ち続けるだろうと安易な期待をしてしまう。
今年の渡辺王将に挑戦する最終予選リーグ戦が7名のトップ棋士総当たりで9月から始まった。この7名に残るだけでもそこまで大変なトーナメント戦だ。
現タイトルホルダーと過去にビッグタイトルを獲得したトップ中のトップ棋士達ばかり。誰が勝っても負けても不思議でない世界だ。
藤井聡太棋聖は6月から衝撃的な二冠タイトル奪取してもの凄く注目された分、トップ棋士たちから猛烈な研究や対策をされている。
才能だけでは勝てない世界であり、尋常でない努力と意志と執念が必要な世界だ。藤井棋聖のこのリーグ初戦のVS羽生先生、第二戦のVS豊島竜王、第三戦のVS永瀬鬼軍曹と事前に戦型を練って準備して来た感じする。
藤井棋聖にとって研究を最もよくしている相手が、鬼軍曹こと永瀬王座だ。藤井棋聖が二冠に挑戦する挑戦者決定戦がいずれも鬼軍曹だった。
鬼軍曹にとっては二局とも完敗しただけに並々ならぬ今回の対局だっただろう。この3年くらい封印していた振り飛車の新たな戦型で後手番で臨んできた。
藤井棋聖にとっては未知の戦いで、難解な激戦になったみたいだ。鬼軍曹の顔面受け、徹底抗戦が実り長手数の秒読み将棋をモノにした。
出る杭は打たれる。藤井棋聖の王将リーグ戦3連敗に、私はホッとした。こうでなくちゃ面白くならないでしょう。18歳の若者にそんなに連戦連勝されるような歴史あるプロの世界ではないでしょう。
やられたらやり返す。もの凄い世界だから今後の藤井棋聖にますます注目したい。羽生先生と藤井棋聖を追っかける楽しみはまだまだ当分続く。