すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

ドイツに学ぶ過去の総括と反省

2015年03月10日 | 日々思うこと

今日は米軍のB29が東京の下町一帯に1万6千トンの焼い弾を投下し、10万人を超える人たちが犠牲になった東京大空襲から70年目です。今日のNHK朝ドラ「マッサン」は北海道余市にも米軍爆撃機が襲来し、「お国のため」にと出生した家族の死亡通知が届き、身近な命が戦争で失われることを悲しく語っていました。

弥生3月も10日というのに朝から真冬並みの寒気で、糸魚川地域には「暴風雨・大雪・波浪警報」が発令です。雪が舞い上がり震える寒さの中では散歩も短めなので、恨めしそうに風除室から外を眺める愛犬です。

そして今日の糸魚川タイムスのコラム「波動」では、引越しの途中の高速道PAで車の中の愛犬が飛び出して、犬を追う女性が車にはねられ重症という痛ましいニュースを「事故になってしまう時は確かに油断があったり、してはいけない状況を作り出している」と綴って、事故を教訓にと・・・。

油断といえば、孫のインフルエンザで疲れていたのか手が滑って大事に使っていたご飯茶碗を割ってしまいました。一ヶ月程前にもお気に入りのコーヒーカップが欠けてしまい、ゴミ処分にする気にもなれず山野草の鉢に活用です。たかが欠けたお茶碗ですが、戦争で命を失うということに置き換えて政治を直視しなければなりません。 

昨日、来日したドイツの保守のメルケル首相は過去の歴史を総括し、安倍首相とは対照的でした。都内での講演では、ヴァイツゼッカー独大統領(当時)の1985年のスピーチ「過去に目を閉ざす者は、現在に対してもやはり盲目となる」を引用です。「ドイツは戦後、かつての敵国とどのようにして和解することができたのか」との質問に、「近隣諸国の温情なしには不可能だった。ただ、ドイツ側も過去ときちんと向き合った」と述べていました。

さらにメルケル首相は「極めて高度な科学技術を持つ国で福島のような事故が起きたのを目の当たりにし、(原発には)予想できないリスクが生じることを認識した」と述べ、自らが物理学者として抱いていた原発の安全性に対する考えが揺らぎ、脱原発と再生可能エネルギー転換という未来思考です。日本といえば原発事故の責任を一切とらず、戦争体制作りと原発再稼働で過去に向かって後退で、本日の岸田外務大臣は「日本とドイツの戦後処理は単純に比較できない」という見解で、ネット右翼(ネトウヨ)たちは早くもこの反論に大喜びです。

明日は東日本大震災・福島原発事故から4年目を迎えますが、過去の歴史や原発事故に向き合わず反省のない国は、もう一度痛い目にあわないとダメなのでしょうか、同じことを繰り返そうとしている我が国に憂いてしまう凍える寒さの終日です。