すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

自民党憲法草案を「知る義務」と北陸新幹線と

2016年05月20日 | 本・雑誌・映画

今日は月刊『食べもの通信』編集の研究会役員会に上京で、いつもと同じく北陸新幹線「はくたか」から長野駅で「かがやき」に乗り換え、東京駅には「はくたか」よりも20分早く到着です。この20分が午後からの会議を前にして貴重な時間です。

今日は、千代田区神田神保町の合同出版社の一角をお借りしている家庭栄養研究会へ立ち寄りました。用事を済ませてから事務局担当のFさんと近くのお蕎麦屋さんで昼食を、その後は地下鉄で一つ目の駅前の九段生涯学習館へと急くあわただしさです。

新幹線の車中では先日、上越の友人からお借りした小林節慶応大学名誉教授と樋口陽一東京大学・東北大学名誉教の対談『「憲法改正」の真実』(集英社新書 760+税円)を読み通しました。帯にはお二人の顔写真で、護憲派の樋口教授は「国家の根幹が破壊されてしまう」と、自民党に寄り添う改憲派の重鎮だった小林教授は「自民党案なら日本は先進国の資格を失う」と・・・、これだけ見ても読みたくなる新書です。 

憲法学者の対談書だけに、どのページを開いても参考になり特に「知る義務」という言葉が新鮮です。「知る権利」は消費者問題などでも周知されていますが、ここでの「知る義務」はアベ政権で破壊された立憲主義と民主主義を奪還するために使われています。

例えば沖縄返還で日米にどういう密約があったのかを知るよりも、西山太吉記者と女性事務官との関係が注目され、返還で日本がアメリカに大金(裏金)を払う政府間密約という重大な事実をメディアは国民に知らせなかったこと・・・。これは国民の側が権力者のあり方をチェックし、この社会は正常なのかを判断していく材料にすべきだったことで、国民が「知り義務」を怠った結果でもあると指摘です。

また自民党憲法草案の各条文を検証し、国家の体制をどのように旧体制回帰へ変えていくのかを詳細に語っており、手元に置きたい一冊でネットで注文することにしました。今、この国で起きていることについて知らなければ正しい投票ができず、「知る義務」を果たすかどうかで、この先の国のあり方や子どもたちの未来が決まってしまう、その緊張感の必要性をお二人が訴えているお薦めの新書です。

5時に会議を終えての帰途の北陸新幹線、東京駅から2時間丁度で糸魚川駅に到着していた「はくたか」は、2時間27分を要しています。どうしてかなあと時刻表を開くと、到着駅が変わったことに加えて長野駅ではなんと12分間も停車です。わずか27分の差でもこれが新幹線開業前なら大変なことで、いつの間にか開業一年目の3月のダイヤ改正で変わっており、そんなことで自民党憲法草案と「知る義務」を重ねる終日です。

※『食べもの通信』5月号、電磁波特集については次回で・・・。