中勘助著の「銀の匙」を読了した。(この歳になって今ごろ?)
漱石が絶賛したと哲学者の和辻氏が解説で述べている。
読みすすむと、ますます引きこまれる。
か弱き少年の傷つきやすい感性がひしひしと伝わる。お勧めの本である。
「倶梨伽羅紋紋」など、年老いた母親とは話ができる題材だ。
こういう表現が次々と出てくる。まあ、大正時代の作だからいたしかたない。
灘高等学校からの東大入学者が日本一になった理由がここにある。
灘には教師に教材などを選択する自由が与えられていたようで
某国語教師はこの「銀の匙」を教材化した授業を行った。
読んでみて、なるほどと思う。なかなか深い。
青年時代に「三太郎の日記」はむさぼり読んだ思い出がある。
「今日のチョッキン」
庭の小石に止まらせてみた。いまにも飛び立とうとする雰囲気があるかどうかだ。大げさに言えば、命を吹き込まれた作品になるかどうかが問題なのです。