これからのマラリア対策に要るもの。WHO execive report発表。
- マラリア感染者数は2015年以来、増えてはいない。しかし、このままでは感染者犠牲者を90%減少させるという目標には届かない。
- マラリアの犠牲者の大部分は5歳以下の小児。
- マラリア対策にはもっと資金がさかれるべきで、現行から340憶ドル増やせば、2830憶のGDP増加が得られる。コスパが高い。
- 現在のマラリア対策は、前世紀からあった技術を用いたものだが、新たなツールに向けた努力もおこなわれている。たとえばマラリアワクチンは、ガーナとマラウィで使われはじめ、ケニアでも予定されている。
- 大きな困難は、多くの国々で保健医療サービスを受けられない現状。アフリカの中~高リスク国でマラリア予防薬にアクセスできる妊婦は5人にひとりしかいない。マラリア流行国人口の半分は虫よけ処置された蚊帳なしで寝ている。屋内で殺虫剤使えるのは3%しかいない。
これまで比較的うまくいっていると目されてきたマラリア対策ですが、ここのところ足ふみ状態です。その背景には、マラリアに対する注目がかつてほどではなくなってきたこと、そして資金不足があります。管理人はスーダン在勤中に、家族の罹患で真夜中の初発の瞬間から観察する機会が図らずしも遭遇したので何年たっても関心が薄れませんが、遠いアフリカ(とアジアの田舎)の病気というポジションはチャレンジでしょう。
Malaria eradication: benefits, future scenarios and feasibility. Executive summary of the report of the WHO Strategic Advisory Group on Malaria Eradication
23 August 2019
| Report
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2019/08/who-experts-call-new-tools-eradicate-malaria
WHO experts call for new tools to eradicate malaria