新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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インフルワクチンとナルコレプシー、UK政府が補償受け入れ

2013-09-17 07:30:26 | インフルエンザ:対策/対策の進歩

2009年にアジュバント入りインフルワクチン(Pandemrix)接種後、ナルコレプシー罹患の小児がUKや北欧で問題化するという事がありました。その後、いくつかのエビデンスを経て、UK政府が方針転換、これまで補償を却下していたものを受け入れ方針へ。

  • 2009年にH1N1pdmのワクチン接種が3〜16歳の子供に勧奨された。
  • 接種後、ナルコレプシー発症の報告に対し2010年に北欧で、2012年にUKでエビデンス報告。
  • これを受けて、UKのDWP (which administers the compensation scheme) は、これまでの申請却下を転換して補償受け入れを決定。法的根拠はthe Vaccine Damage Payment Act 1979。
  • これまで却下された申請者に対し、以下の文面の手紙を送付。DWPは追加の情報を得て、この情報は過去の決定を再検討するに足るものだと受け入れ、ワクチンによって起こったものではないという過去の決定を変更することにした(“The Secretary of State for the DWP has received further information and accepts that the information received is sufficient to re-examine his previous decision and he proposes to reverse his previous decision that causation due to vaccination has not been accepted”.)
  • この決定で得られるのは、一時金12万ポンド(約1500万円)で。損害を補償できるものではない。さらにアクションを継続と呼びかけbyPeter Todd, a solicitor and partner in the firm of Hodge Jones& Allen LLP, who has a special interest in cases of vaccine injury,

2010年、2012年にエビデンスが揃ってようやくという感じですね。ワクチンメーカーのグラクソ社が元々UK発祥のためか、UK政府の渋々ぶりが際立っています。過去却下された申請者に送られてきた手紙の文面は原文ママなのでしょうが、渋々ぶりと氷のような冷たさが伝わってくるような・・・。日本なら「これまでの皆さまの心痛を思い〜」とか「多大なご迷惑とご心配をかけてまいりましたが〜」とか、あの東電だってもうちょっとマシな事言うよって感じですね。この先、さらに厳しい道のりが待っていそうです。

ソースはhja
http://www.hja.net/legal-news/hja-news/swine-flu-vaccine.aspx?StyleType=increase&StyleClass=FontSize

UK Government accepts swine flu vaccine caused narcolepsy in children

 


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