最後の旅を始めよう

-黒の英雄譚・零-

電子商取引論 011

2006年12月14日 | 大学ノート
第11回
中小企業への影響と電子商取引で成功する条件




電子商取引は大企業が中心?
○共同e-Procurement⇒大企業中心
・個別企業ごとの購買・調達から共同化へ
○共同開発・技術提携⇒大企業相互間
・技術変化への対応とリスク分散
○企業合併⇒より大きな企業へ
・IT化のための巨額な負担
○本来の意味でのSCMの構築⇒個別大企業
・B to B to Cを一つに繋ぐ情報システム
   e-Procurement  ⇔ ERP ⇔  e-CRM


中小企業への影響と対応
○IT化の一層の進展による競争激化
・本来の技術力に加えてITを使いこなす技術が重要に
・ITの技術進歩の早さにより、従来の強みが一日で逆転の可能性
○ITによるリスク拡大
•情報の伝達の早さ⇒急速なビジネス環境の変化
○系列からの締め出し
・ITを使いこなせない企業の排除
  e-Procurementの進展
・情報による囲い込み、系列化
○検索エンジンによる序列化


情報による囲い込み、系列化
・エレクトロニック・コマースが行われるインターネットは、誰でもが簡単に参加できる仕組みであるから、世界中から多くの企業、個人、政府、その他の組織が入り乱れていろいろな情報を発進している。これを利用者の側から見ると、どこに自分の欲しい情報があるのか判断できない
・何らかの判断基準、選択基準が必要となる
・ ヤフーのホームページを開くと、世界中のホームページが分類されて登録されており、利用者がその中から自分の見たいホームページをクリックすると、そのページに瞬時に移動できる
・リクルートは広告料を取って学生に対する求人広告を集めたホームページを出している。こうしたページに登録していないと、優秀な学生が集めにくい。
・楽天は出展料を取ってネットショッピングセンターを運営している。各ショップは、自分でネットショップを解消することが出来ても、顧客を集めることが難しい。
・ネットワークに存在する情報に対して、所在を明らかにする、情報の内容に対して保証する、といった機能が求められている。ヤフーはそれらの情報を提供しようとしているのであり、インターネットに流通する情報のデファクトスタンダードを構築しようとする動き、新しい情報による囲い込みの動きである。


中小企業の対応
・こうした動きは、新たな系列化に結びつきかねない。特に情報通信技術に経験の少ない中小企業は、企業連合(パートナーシップ)から排除されるか、あるいはこうした連合に支配されてしまう可能性が高い。実際、製販同盟では同盟企業以外の企業を取引から排除しており、中小企業はその対象になってしまう可能性は高い。
・囲い込み、系列化以外にも、現在の大半の中小流通業者が主として顧客としている、歩いてあるいは電車や車で来店できる範囲の近隣の消費者が、エレクトロニック・コマースに移ろうとしている。世界中の企業から、これらの消費者に売り込みが行われている。競争相手は近くのスーパーや商店だけではない。
・特に地方の専門店に影響が大きいであろう。電気販売のコジマでは、ネット上でパソコンの安売りを行っており、既に1店舗の売上高に相当するレベルに達している。ツートップも同様な売上高となっている。三越もアウトレット価格で販売を行っている。海外でも、ランズ・エンドという会社がネット上でアウトレットを開いている。
・情報通信技術の進展により、今後もこの傾向は一層加速しよう
・ただし情報通信技術の進展は、中小企業にとって発展のチャンスでもある •・情報通信技術の大幅なコストダウンと使い勝手の向上は、上手に使いこなせば中小企業でも主導権が取れる可能性を持っている。 •・中小企業の方が、情報化投資を行う場合でも規模が小さくてすみ、また意思決定が素早く出きることも有利な点である。
・流通革新の勝利者は、商品の魅力もさる事ながら企業の規模・業種に関わらずネットワーク技術を使いこなした企業となろう
・特に検索エンジン対策(SEO)が重要となっている。情報による系列化対策としても必要である。
・バーチャルカンパニーが大企業への対抗手段となろう
世界中の企業から、その業務にもっとも適した企業を選んでバーチャルカンパニーを構築する
インターネット経由で世界中の企業、消費者に商品を販売することができる
・バーチャルカンパニーは間単にできない。相手企業が本当に信用できるのか、納期は守れるのか、厳密な契約を行っておかないとトラブルが発生してしまう
オフラインミーティング、つまり相手と直接顔を合わせて話をし、人柄を判断することも必要である
ネットワーク上での新たな取引きルール、契約方法、保険が必要となろう。
・暗号、あるいはそれを利用した認証というシステムが必要となろう。


中小企業の対応策
○中小企業のメリットを生かした積極的なIT化の推進
意思決定が早い
投資額が少なくて済む
技術進歩によって、誰でもが新しい技術を利用できるようになった
新技術の利用コストの低下
○検索エンジン対策(SEO)、アドセンスなど新技術の活用
○バーチャルカンパニーの推進
•大企業に対抗できる組織と技術が容易に確保できる
•共同化により特色を持つことで注目を集める
○自社の強みを生かしたClick&Mortal企業へ
1.ニッチ市場でのトップ企業へ
2.独自サービスで差別化を


ネット通販の商品融通、中小800社が取引サイト
•中小のインターネット通販会社、約800社が商品の相互融通に乗りだす。通販店舗などで構成する全国イーコマース協議会(東京・中央)が1月中旬に開設する店舗間の取引サイト「卸問屋ジャパン(仮称)」を活用する。知名度や信用力に乏しい小規模の通販事業者でも、サイトを通じた仕入れで品ぞろえを強化したり資材を安く手当てしたりできる。
•「卸問屋ジャパン」は協議会の会員のみの専用サイトとし、参加企業は商品の売り手にも買い手にもなれる。まず100社程度が食品や雑貨、段ボールなどの通販向け資材の供給を開始、会員の約800社が購入できるようにする。
•各店が提供できる商品情報を仲介し、仕入れの利便性を高めるほか、取引の決済代行や商品配送にも乗り出す計画。取引サイトの利用は無料で、運営費は協議会の会費でまかなう。
•[2006年1月9日/日本経済新聞]


e-ビジネスへの進出
商品から
-特定の商品を幅広い顧客に
-特定の商品を特定の顧客に
-商品販売のインフラ提供
顧客から
-特定の顧客に幅広い商品を提供
-顧客相互の仲介サービス
-特定の顧客に対するポータルサイト
収入の方法
  -売り手もしくは買い手から
    手数料、会費、出店料
  -それ以外(ゼロ・マージンモデル)
    広告料
  -インフラ提供サービス


電子商取引で成功する条件
①オリジナルなコンテンツ
②ニッチな分野
③個別サービス
④プッシュとプル
⑤既存の資産の利用
⑥他のメディアの利用
⑦企業連合の構築
⑧フリーウェアの利用
⑨低価格
⑩短期の資本回収
⑪素早い意思決定


電子商取引とセキュリティ

ネットオークション詐欺で千葉県の男逮捕・チケット架空販売
•埼玉県警熊谷署は29日、詐欺の疑いで千葉県市原市若宮、無職藤原敦彦容疑者(26)=別の詐欺容疑で逮捕=を再逮捕した。
•調べでは、藤原容疑者は昨年7月に千葉県で開催された人気ロックバンド「B’z」のコンサートのペアチケットを持っていないのに昨年4月、インターネットのオークションに出品。落札した千葉県我孫子市の会社員女性(26)に約3万円を郵便局の口座に振り込ませ、だまし取った疑い。
•藤原容疑者は2、3年前からオークションでコンサートのチケットを出品していたが「チケットが入手できなくなり架空のオークションをやるようになった」と供述。同署は、藤原容疑者が300万円以上を詐取したとみて余罪を追及している。
[2006年8月29日/共同]


ネット詐欺で高校生逮捕・携帯電話と見せかけて…飲料水
•野県警上田署は29日、インターネットのオークションを悪用し、現金3万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、北海道旭川市の道立高校3年の男子生徒(17)を逮捕した。
•調べでは、男子生徒は6月、オークションサイトに携帯電話を出品。落札した上田市の男性(28)に、清涼飲料水を入れた箱を代金引換郵便で送り、携帯電話が送られてきたと思い込ませて、現金3万円をだまし取った疑い。
•男子生徒は容疑を認めており、同署は余罪があるとみて調べる。
[2006年8月29日/共同]


被害状況

不正アクセス

迷惑メール

フィッシング

個人情報保護

電子商取引のトラブル、ネット上で解決
•電子商取引を巡る消費者と販売事業者のトラブルを、インターネット上で仲介して解決する機関が06年4月にも発足する。IT(情報技術)関連企業が共同で、裁判外の紛争処理機関(ADR)として有限責任中間法人を設立する。ネット取引が急拡大する一方で紛争も増えており、同機関の設立により健全な市場の発展を促す。
•設立する中間法人は「ECネットワーク」。現在ネットADRに実験的に取り組んでいる次世代電子商取引推進協議会の業務を引き継ぐ形で発足。NECやNTTドコモ、KDDI、ビックカメラなどに参加を打診、一部が参加の意向を示している。
•ECネットはまず、ネット販売事業者を会員として登録。そこで買い物した消費者にトラブルが生じると解決にあたる。中立的な立場で電子メールのやり取りなどによりトラブル解決を目指す。消費者の負担は原則無料。会員事業者にはトラブル予防に向けたコンサルティングサービスを有料で提供する。
•ネット通販や競売サービスでは、誰もが簡単に品物を販売できる一方、消費者が欠陥品を購入させられたり品物が届かないケースも増えている。1件あたりの被害額は小さいことが多く、消費者は裁判を起こさず泣き寝入りする例も目立つ。


ネットショッピング紛争相談室
http://www.ecom.jp/adr/ja/html/p_04.htm
事例1:
代金を払ったのに1年も商品が届かない
事例2:
格安のブランドの時計が偽物らしい,受け取りたくない
事例3:
注文確認後に販売店より一方的にキャンセルされたパソコン部品
事例4:
オークションで、落札者がキャンセルしたといわれ取引したが・・・
事例5:
オークション外で直接取引したが商品が届かない
事例6:
海外アダルトサイトからの引落しを止めたい
事例7:
オークションで買ったペットが死んだ
事例8:
ネットで買った中古車、知らされていなかった修復歴があった
事例9:
オークションの記載と届いた中古車の機能が違う
事例10:
広告メールをクリックしたら、登録され、料金を請求された
事例11:
money orderで払った商品が送られてこない、返金してほしい。


電子商取引の安全診断
•電子商取引(EC)サイトの決済処理を代行するSBIベリトランスは、EC事業者に特化したネットセキュリティー会社を来月設立する。サイトの安全性診断から保守までを手掛け、安全性の確認できたサイトに認証マークを与える。個人情報が流出するなどECの安全対策は遅れている。安全性の高いサイトを増やしてEC市場拡大につなげる。
•情報セキュリティー対策のシーフォーテクノロジー(C4T)、ソフト開発の三和インベストメント(東京、柿沢晋一郎社長、03・3583・2518)との共同出資会社「eCURE(イーキュア)」を設立する。出資比率はベリトランスが73.4%、C4T、三和インベストメントがそれぞれ13.3%。ベリトランスの連結子会社となる。
•[2006年10月31日/日本経済新聞]


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