老朽原発うごかすな!実行委員会Blog

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<報告> 7.28 最古の老朽原発・高浜1号うごかすな!緊急現地行動

2023-07-31 10:02:13 | 老朽原発うごかすな!実行委員会
12.3 「1万人集会」の案内 → コチラ

9.1関電前「一食断食」行動 の案内 → コチラ



7.28「最古の老朽原発・高浜1 号うごかすな!緊急現地行動」やりました



音海展望台にて、デモ出発前の集会


運転開始から48年を超えて、国内最古の原発・高浜1号機が12年ぶりに稼働されました。

この関電の暴挙に抗議するため、遠くは四国から、また、関西、福井からはマイクロバス3台、自家用車などで
約100人が高浜原発近くの音海展望台に結集しました。

正午から、原発北ゲート前までデモ行進し、ゲート前では、多くの参加者が、
思いのたけを関電にぶつけました。


高浜原発・北ゲートに向けデモ行進開始



北ゲートの左奥に見える高浜1号機(写真左)



炎天下で、元気よく抗議行動(北ゲート前)



原発にむかって「再稼働やめろ~」


途中、関電に「老朽原発の稼働を断念し、廃炉に」「核燃料、化石燃料を使わない発電に切り替えよ」
などを申し入れました。



申し入れ書を読み上げる


この夏一番の暑さに、倒れる人も出て、何とも悔しく、やるせない思いの一方、
「人類の手に負えず、子々孫々までの負の遺産・使用済み核燃料を残す原発は、
必ず全廃させる!」の確信に満ちが参加者の怒り行動でした。

高浜1号機は、私たちが解散した直後、午後3時に稼働しました。

なお、この緊急行動は、NHK 、福井テレビで放送され、多くの新聞でも報道されました。


■■■■関電への申し入れ書■■■■

関西電力株式会社:
取締役会長 榊原 定征 様
取締役社長 森望様
原子力事業本部長 水田 仁 様
高浜発電所長 木島 和夫 様

申し入れ書


原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を経た福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。

それでも、岸田政権は数を頼んで、原発関連法案を、まともな審議もせずに5月末に改悪しました。原発の60年超え運転を認め、原発の運転期間の判断を原発推進の経産省に委ね、原子力の憲法・原子力基本法に「原発推進を国の責務とする」の一項を加えました。「原発依存社会」に向かっての暴走です。なお、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。地震、火山噴火、津波の多発する日本での60年超え運転は、無謀で、福島原発事故の犠牲と教訓を蹂躙するものです。

一方、岸田政権の「原発依存社会への暴走」に迎合する貴関西電力(以後、関電と略)は、運転開始後46年の老朽原発・美浜3号機を一昨年来稼働させ、運転開始後48年、47年を超えた日本最古の老朽原発・高浜1、2号機を本日および9月中旬に再稼働させようとしています。なお、高浜1号機の圧力容器の脆化は、日本で最も深刻で、脆性遷移温度は99℃に達していると言われています。緊急時に冷却水を注入したとき、圧力容器が破裂する可能性があります。
ところで、高浜原発1,2号機の再稼働を進める関電は、稼働中の高浜原発3、4号機で、別紙(注1)に示したように、トラブルを続発させています。

トラブルの中でとくに深刻なのは、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷の頻発です。1次冷却系配管が完全破断すれば、原子炉を冷やす機能が失われ、メルトダウンに至る可能性があるからです。

1月30日に高浜4号機で制御棒が急挿入され、自動停止したトラブルも深刻です。制御棒は原子炉のブレーキです。ブレーキの故障は、重大事故につながります。

一方、関電は、高浜原発1、2号機を6月から順次再稼働させるとして準備を進めていましたが、ケーブル(電線管)の火災防護対策が不十分であることが明らかになり、5月2日、再稼働の延期を発表しています。しかし、関電は、電線管に規制基準に適合した防護措置を講じるには何年もかかるので、抜本的な対策を施さず、電線管を耐火シートで覆う、電線管の周辺に可燃物を配置しないなどの応急措置のみで、再稼働を行おうとしています。なお、ケーブルの火災防護対策の不備は、高浜1、2号機だけではありません。関電は、設計工事計画を無視して、ケーブルの火災防護対策をしないまま高浜3、4号機、大飯3、4号機、美浜3号機を運転しています。安全軽視、原発稼働優先の姿勢です。

 6月1日には、高浜1号機で火災検知器4基を工事計画とは異なる位置に設置していた不備も発覚しています。再稼動を目指して、10年以上も準備してきたにも拘らず、再稼動直前になっての、重ねての不備の発覚です。不備に関する自覚が足りないのか、検査・点検の仕方が杜撰なのか? 不備はこれ以外にも多数あり、発表された不備は氷山の一角かも知れないと疑いたくなります。

 さらに、関電は、別紙(注2)に示したように、不祥事を繰り返しています。企業倫理に欠けた関電の経営体質には、目に余るものがあります。

 関電の繰り返す約束違反も許されるものではありません、関電は2017年以来、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言したにも拘らず、その約束をたびたび反故にしています。関電は、福井県知事の原発再稼働への同意を取り付けるために、何の成算も無く「空約束」を繰り返してきたのです。2021年2月にも、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」としていますが、未だに候補地を見出すことはできていません。関電は、苦肉の策として、6月12日、使用済みMOX燃料の一部を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出す計画を明らかにし、「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」としています。しかし、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料のわずか5%程度に過ぎず、また、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。「小手先」の策を弄した詭弁としか言いようがありません。

 このように、関電は、トラブル、不祥事、約束違反を多発させています。現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、装置のトラブルや金品が絡む不祥事が頻発し、人々を欺かなければならなくなるのです。

岸田政権や関電がどう願望し、法律をどう変えようとも、経済的利益や政治的思惑で原発の老朽化を防ぐ技術、安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分技術が急に向上することはありません。

 原発は、絶対に過酷事故を起こさないと言い切ることは誰にもできません。もし、過酷事故が起これば、立地自治体だけでなく、広域の周辺自治体の多くの住民が長期の避難を強いられることは、福島原発事故が実証しています。原発はあってはならない装置なのです。

 今、電気は足りています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の中の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 そもそも、岸田政権や関電の「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権や電力会社が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。先見の明がある政権や電力会社であったなら、原発に費やされた膨大な税金や電気料金を、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回し、今頃、核燃料、化石燃料など必要のない社会を実現し、世界をリードしていたでしょう。

 以上のような視点に立つ私たちは、貴関電も、ドイツ、イタリア、台湾と同様に一刻も早く原発と決別し、自然エネルギーの活用で世界をリードする電力会社へと脱皮されることを期待し、以下を申し入れます。

【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転を中止し、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働、高浜原発3、4号機の40年超え運転を断念し、これらの原発の即時廃炉を決定してください。

【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴関電の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。

【3】一刻も早く原発と決別し、核燃料、化石燃料を使わない発電に転換してください。公益事業体として、環境の保全と人類の明るい未来のために、自然エネルギーによる発電法、大容量蓄電法、省エネ技術の開発と普及に努めてください。
なお、貴職らが、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2023年7月28日

        
「最古の老朽原発・高浜1号うごかすな! 高浜緊急行動」参加者一同


◆カンパをお寄せくださったみなさま(団体名)→ コチラ

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