この時期に旨い刺身といえば、上品な脂を蓄えた寒ビラメがある。
うまくすれば高級外道のマハタも交じるかもしれない。
さらに、近ポイントで高級魚アマダイも狙う豪華リレー釣りが出船中。
と聞けば連休明けのチマチマとした仕事は手につかず、
ゴリ巻きでスケジュールを調整して2月某日、
小湊港・寿々木丸から久しぶりに平日釣行に出かけた。
雪に見舞われた3連休前後の不安定な天候も、
当日は終日お天気マークの快晴予報。
平日とあって、平均年齢の高い釣り人4人が乗船し、
薄っすらと明るくなり始めた6時前に出船となった。
釣り座はくじ引きで決められ、4人が等間隔で右舷に並ぶ。
3番を引いた自分はトモから2番目の位置に座った。
当地でのヒラメ釣りは初めてで、
驚いたのは出船前に活きエサのイワシが配られたこと。
ということは、釣り場は出航してすぐとなるわけで、
案の定、徐行運転で5分も走らないうちにポイントに到着した。
薄暗い中、もどかしい手元でイワシにハリを付ける。
ホテル三日月をそう遠くない位置に望む、
湾内といってもいい水深30メートルからスタート。
風も波もほとんどなく、名刹・誕生寺が鎮座する入道ヶ岬の
突端に浮かぶ太陽が輝き始め、神々しくも美しい。
そんなロケーションに癒され、まどろむような気分に浸っていると
日蓮上人のお導きであろうか、なんと第一投からアタリが訪れたのだ。
オモリが根に当たったような弱い魚信だったが、
一発でハリ掛かりしたようで、3.3メートルの軟調竿をグニャリとひん曲げる。
神々しい朝日に迎えられて浮上してきたのは
50センチ、1.2キロのまずまずの本命。
先日の雪で滑って転んだ甲斐があったと納得する
久方ぶりの幸先のよい滑り出しに目じりが下がる。
これで勢いをつけて、…と願うのは誰もが同じ。
ところが思う通りに行かないのが、釣りに限らず世の常なり。
水深18メートルの浅場から50メートルの深場まで移動を繰り返すが、
その後アタリはさっぱりと途絶えてしまった。
いらだつ釣り人をあざ笑うかのように、
浅場ではアオリイカが何度もちょっかいを出してくる。
暴れるイワシに胸を膨らませて待っていると、
仕掛けがスーッと引っ張られるように横走りする。
頃合を見てそっ~と巻き上げてみるものの
水面下5メートルほどになるとパッと離してしまうのだ。
あがってきたイワシの後頭部には無残にも哀れな噛み跡がくっきり。
後で聞いた話では、竿を出していた船頭もアオリにもてあそばれ、
エギを持参していれば狙ってもOKとか。
この辺りは職漁船しか攻めていないようだから
思わぬ大物アオリに出会えるかもしれない。
船中ではマトウダイやカサゴがたまに顔を見せるが、
開始2時間が過ぎても本命はわずかに1匹だけ。
いつもは数匹上がるマハタからの便りもない。
イワシ6匹目で久しぶりにアタリがきた。
喰い上げるのはマトウの仕業だけど、今度はゴンゴンと引く。
が、それ以上強くなることはなく、すんなり上がってきたのは
30センチに迫る良型のカサゴだった。
その後は、最後の流しでミヨシの釣り人がようやく本命の顔を見た。
結局ヒラメは船中2匹に終わる貧果となり、
平日大名釣りの恩恵を受けることはなかったが、
そのうちの1匹を仕留めることができたので及第点としよう。
続いて、第2本命のアマダイ釣りへとポイントを移動する。
ヒラメのポイントから15分ほど沖に出た水深140メートルで再スタート。
80号のコマセカゴに少量のオキアミを入れ、期待を込めて投入する。
ズボッと泥地に埋まり込むような着底後、
1メートルほどタナを切りゆっくりと誘いをかける。
すぐにフニャフニャとアタリが訪れ、エサ取り税金取りがちょっかいを出す。
フルスロットで上げてみれば、手のひらサイズのキダイがダブル。
その後もキダイ、ヒメコダイの洗礼を受けながら
コツコツと手返しを繰り返す。
当日は道糸が前方に大きく流される二枚潮のようで、
水深からみても80号では難儀する。
そこでコカマセカゴの中に20号の丸オモリを忍ばせ、
少しでも糸が立つようにしてみた。
すると数投後に今までにはないガクガクという大きなアタリが到来。
大きく竿を立てて確実にハリ掛かりさせ、後を電動リールに委ねる。
巻き上げ途中もゴンゴンと小気味よい引きをみせ、
すっかりその気になって船頭とともに待ち構えていると、
ゆらりと浮上してきたのはオレンジ色も鮮やかなキダイ。
30センチ超の良型ではあったが、肩透かしを食らった気分に。
そこで「コノ、コノ、レンコダイ野郎~」と連呼する。
ふと左側の老釣り師の竿先を見ると、ガクガクと断続的に叩かれている。
道糸は前方に長く伸び、綱引きのように巻き取り始める。
ゴンゴンの引きは先ほどの自分と同じリズムを刻んでいる。
心の中で「キダイ、キダイ」としつこく連呼していると、
プカリ浮かんで前方から近づいてきたのは、まさしく待望のアマダイ。
それも50センチ級の当地ならではの大物である。
タルからはみ出すアマダイに羨望の眼差しを向けながら
タナを小刻みに変えて誘いをかけてみるが、依然反応なし。
ところが悠然と座って構える老釣り師に再び大きなアタリがきたのだ。
ぬらりと上がってきたのは、愛らしいつぶらな目も妬ましく見える
先ほどと同サイズの大アマダイだった。
泰然自若の老釣り師に圧倒され、
その後自分にはアジ2匹、サバ1匹が遊んでくれただけ。
愛しの本命からのアタリはついに訪れることはなかった。
ミヨシとトモの熟練釣り師は幼児サイズのアマダイを手にしたようだが、
大物2匹を独り占めされて戦意喪失。
ピーカン天気に汗ばみ始めた11時半、沖上がりとなった。
旬の寒ビラメの顔を見ることができただけでヨシとしなくては。
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こいつもしゃぶり尽くされちゃうんでしょうねっ!!(^^)
それにしても ご立派なアマダイです事!!
こんなのを2ツも目の当りにしたら たまらんですねぇ~^^;
あー残念!!
でも何とも食べ頃のヒラメだ事。
3連休小湊行くと聞いてたけど平日釣行だったんですか。
グルメサイズのヒラメに良型カサゴ、オカズは確保しましたね。
しかしお隣さんのアマダイはデカいっすね。
てか小湊には珍しい組み合わせのリレー船があるんですね。
南房じゃ普通なのかな?
こちらももう一度ヒラメに行こうかと
食べごろサイズの寒ビラメですね。
こちらは、なんとかソゲ1枚でした(笑)
ソゲでも十分に美味しかったので、
1.2㎏ならよだれものですね(^^♪
アマダイは惜しかったですね。
それに早々と本命が上がると気が楽ですよね!おめでとうございます。
釣行記も力作です。
料理編も楽しみ~(^^)
いつもコメントありがとうございます。
本日はPC環境にいなかったため、というか、二週連続平日釣行にでかけ返事が遅くなり失礼しました。
改めてコメいたします。で、釣果は…、ムフ…、なるはやで報告します。
コメントありがとうございます。
もっと肉厚の3月ビラメを求めてもう一回行きたいです。
あの夢サイズのアマダイが釣れてたら…、バチが当たりそうです。
コメントありがとうございます。
カサゴは贅沢ながら予定していなかったんですけどね。
平日の配当券ならせめてマハタでも来ればよかったんですが。
でも尺カサゴですから、贅沢いっちゃいけませんね。
コメントありがとうございます。
ホントは3連休初日に行くはずだったのよ。
どうしても思い立ちきれずに平日に行っちゃったわけさ。
釣り客激減で船宿もあの手この手でやっているみたい。
外房は比較的リレー船が多いようだから、釣り人の要望を聞いてくれますよ。
フラッシャー・イカ・オニなんて昔からあったから。
コメントありがとうございます。
1.5キロ前後がグルメサイズで旨いですから言うことありませんね。
ヒラメ仕立て中心で残念でしたね。誘いを受けましたが、このリレー釣りを予定していたんで。次の機会がありましたら、皆さんと竿を並べましょう。