釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

その9 小湊沖のマダイ五目

2009年04月09日 11時03分47秒 | 南房
春先から気になる釣り物があった。
小湊沖で2㎏前後のシマアジが釣れている、というのだ。
これまで食したシマアジは殆どが養殖モノ。
“天然モノ”の味の記憶は遠い彼方にある。

幻の味との再会を自らの竿で叶えたいと釣行を伺っていたが、
シマアジ釣りは未体験のため二の足を踏み、
フグ・ヤリイカ釣りが続いたこともあって機会を逸していた。

ところが最近、シマアジ五目でイサキのほかにマダイも数が揚がるようになった。
本命は幻が当たり前でも桜鯛には出会えるかもしれないと意を決し、
急遽3日(金)に小湊漁港・鯛丸屋へ訪れた。

同宿は、日蓮聖人の聖地・誕生寺の参道から漁港に入った場所にある。
マダイが顔を見せ始めたとあってか、平日にも関わらず釣り人は11人とまずまずの人気。
釣り座は、裏返した番号札を引いて決める方法だから公平で気持ちがいい。
(他船もクジ引きだったから小湊ルール?)
5、6番目に札を引き、表を見ると「1番」をゲット。
こいつぁ~春から縁起がいい、で右舷ミヨシ1番に座ることができた。

シマアジ狙いは、大沢・行川沖の水深約40mの釣り場でスタート。
仕掛けは市販のヒラマサ鈎13号、ハリス6号2m。
空鈎と緑・白のウイリーの3本鈎で挑んだ。
エサは支給されるオキアミで、ビシカゴはFL60号が指定されている。

仕掛けが少しゴツイ気がしたが、これで様子をみて喰いが悪いようだと
タイ仕掛けを縮めて試そうと考えていた。
通常はグレ13号2本鈎、ハリス4~5号2mが標準サイズ?

さて、指示ダナ25m~10mをシャクリ続けるが音沙汰なし。
船頭も潮回りを繰り返すが、たまに20~25㎝ほどのイサキが顔を見せるだけ。
仕掛けを取り替える間もなく、船頭は一時間ほどでシマアジに見切りをつけ、
タイ釣りへの変更を告げた。



釣り場の移動はほとんどなく、指示ダナは底から8m。
仕掛けはハリス4号6m、タイ鈎9号の2本鈎で、
クッションゴム2㎜50㎝をつけた。

初めは手持ちで誘っていると、3投目にククッと竿先が入った。
わずかながらも途中でグン、グンと引くアタリは本命を確信し
海面に浮上した25㎝級のマダイを抜き上げた。

すぐに左舷ミヨシ1番の釣り人も同級をゲット。
これは、マダイの活性が高い!! と思わせたのは、最初だけ。
掌サイズのチャリコをリリースした後はアタリも遠退き、
ここでハリス3号、タイ鈎8号に仕掛けを替え、置き竿釣法に切り替えた。

鯛丸には初めて乗船したが、他船ではあまり見られない特徴的なのが「座席」。
イス型の座席が片舷に8席ずつあり、一つひとつのスペースも十分確保されている。
特にミヨシ寄りの座席は単独で広々としていて、
ちょっとしたクルーザー気分でゆったりと釣りが楽しめる。


写真左上がイスになった単独の釣り座。ミヨシに大樽のイケスが設置されているのもうれしい

ビール(発泡酒)で喉を潤しながらイスに踏ん反り返り
のんびりと竿を見つめていると、突然ギューンと竿先が海中に突き刺さった。
アタフタと竿を取って大きくあわせると、グイーンという確かな手応え。
途中の3段引きもキロオーバーを感じさせ、リールを巻く手を止めさせる。

「タモ、いる?」
駆けつけた若い船頭は冗談なのか本気なのか、こう語りかけてきた。
……、冗談じゃない。
30分ほど前にスレ掛かりした良型のショウサイフグを引き抜こうとして
バラしたばかりなのだ。
それでなくても、ミヨシは海面から高い。



船頭はミヨシから身を大きく乗り出してタモを入れ
1.5㎏級のグルメサイズのマダイを掬いあげてくれた。
仕掛けサイズをおとしたのが功を奏したのか、
初釣り以来のマダイ、それも良型の桜鯛と出会えたことに満足する。



その後はイサキの釣り場に戻り、土産としてイサキを追釣。
下船後に気がついたのだか、右舷トモ寄りの釣り人がタイ釣り場で
約1.8㎏のシマアジをゲットしたという。
クーラーを覗かせてもらったが、黄色に輝く縞模様が美しく、
釣行の機会があればぜひとも巡り会いたいターゲットである。





桜鯛の松皮造り


タイの歯のオブジェを作るため口先を割らずに丸ごと入れて潮汁にする


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