「ジリジリ、ジ~~」
道糸が滑り出し、ドラグが唸るように悲鳴を上げる。
興奮のアドレナリンが全身を駆け巡り、慌ててふんどしを締め直す。
釣り人の闘志を掻き立てる心地よい効果音であると同時に、
死に物狂いでハリを振り外そうとする魚からの警告音でもあるのだ。
大ダイの強烈な引きに耐えるK君
竿でため、リールでいなし、なだめすかして魚の抵抗を鎮める。
やがて海面下から泡ブクを放ちながら白い魚体が浮かび上がる。
差し出すタモに収まったのは、赤黒い魚体に威厳を漂わせる大ダイだ。
緊張感から開放され、同時にふつふつと満足感が沸きあがってくる。
左舷には3人が座り、ミヨシに自分、K君が2番に陣取る
週初めから荒れていたシケが落ち着いた24日(木)、
掟破りの2週連続平日釣行に釣友K君と出かけた。
釣り物はシケ後の好転に期待する大原港・孝栄丸の一つテンヤ。
寒ビラメに続いて、身の引き締まった寒マダイを、の魂胆だ。
前日まで4、5メートルのうねりが襲ったという湾口を出ると
大原では普通よりやや荒れ気味という程度の波レベル。
朝方まで弱い雨という予報は予想通りはずれ、
薄日が差してきた東の空に雲の切れ間がいくつも確認できる。
船首からパラシュートアンカーを投入
航程50分ほどで大原沖の水深52メートルのポイントへ。
船首からパラアンカーを下ろすが、目印のブイはなかなか船から離れず、
潮はあまり流れていないようだ。
ブイはパラシュートの頂点に繋がれていて、オレンジのロープを引いて回収する
昨シーズン品薄に陥った冷パンは「大えび」とあるが中小型が目立つ。
大き目のエビを選び、ビンビンテンヤ8号に付けて投入。
去年5月の釣行以来の一つテンヤ釣りに胸を躍らせる。
一つテンヤの友、大えびは昨シーズンより小粒?
道糸がふけ、55メートルで着底。潮の流れは緩慢のようだが、
数回しゃくると糸が前方に払いだされ、水深より10メートル近く糸が出る。
底潮は想像以上に流れているのかもしれない。
ここは仕掛けの入れ替えがキモと、何度も巻いては落とすを繰り返す。
ビンビンテンヤ8号オレンジにエビ1匹掛けでスタート
最初のアタリは左舷トモの釣り人に訪れた。
テンヤ竿を大きくしならせてやり取りしていたが、
残念ながら上がってきたのは期待を裏切るサメだった。
その後はエサ取りのアタリもなく、
エンジン音の消えた海原に沈黙が続いた。
そんな静寂を引き裂くように、金属的なドラグ音がうなりを上げる。
音のする左側を振り向くと、K君の竿が折れんばかりに曲がっている。
暴走するように糸が引き出され、竿先は何度ものされる。
駆けつけた船頭に「きた~、大ダイ、3キロ」とはやし立てると
「いやそんなモンじゃきかないでしょ。もっとデカイよ」
竿先を見つめながらプロの目で診断する。
ところが…、
強烈な引きをいなしながら徐々に巻き寄せ、残り20メートルになった瞬間、
あろうことかK君の「あっ」という無常の叫び声とともに
竿のテンションがふ~っと戻ってしまったのだ。
K君の雄姿を撮ろうとiphonoを構えた途端の悪夢だった。
「ガクガクと首を振った途端、バレた」と肩を落とすK君。
幻に終わった大ダイの姿を拝めず、本人は当然のことながら、
自分も船頭も深いため息をついて悔しがる。
この日の第1号は産卵期を迎えでっぷりと太った良型ホウボウ
その後は自分に腹ボテの良型ホウボウが上がっただけ。
普段やかましいエサ取りのちょっかいもまったくなく、
大原沖に見切りをつけ岩船沖へ移動した。
朝イチで大物をバラしてしまうと、
本人も船頭も船中が消沈してしまいがちになる。
ところが、この岩船沖への移動が大成功となり、
大ダイへの道が切り開かれていったのだった。
※長文になったので大ダイ編は続きとさせていただきます。陳謝。
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道糸が滑り出し、ドラグが唸るように悲鳴を上げる。
興奮のアドレナリンが全身を駆け巡り、慌ててふんどしを締め直す。
釣り人の闘志を掻き立てる心地よい効果音であると同時に、
死に物狂いでハリを振り外そうとする魚からの警告音でもあるのだ。
大ダイの強烈な引きに耐えるK君
竿でため、リールでいなし、なだめすかして魚の抵抗を鎮める。
やがて海面下から泡ブクを放ちながら白い魚体が浮かび上がる。
差し出すタモに収まったのは、赤黒い魚体に威厳を漂わせる大ダイだ。
緊張感から開放され、同時にふつふつと満足感が沸きあがってくる。
左舷には3人が座り、ミヨシに自分、K君が2番に陣取る
週初めから荒れていたシケが落ち着いた24日(木)、
掟破りの2週連続平日釣行に釣友K君と出かけた。
釣り物はシケ後の好転に期待する大原港・孝栄丸の一つテンヤ。
寒ビラメに続いて、身の引き締まった寒マダイを、の魂胆だ。
前日まで4、5メートルのうねりが襲ったという湾口を出ると
大原では普通よりやや荒れ気味という程度の波レベル。
朝方まで弱い雨という予報は予想通りはずれ、
薄日が差してきた東の空に雲の切れ間がいくつも確認できる。
船首からパラシュートアンカーを投入
航程50分ほどで大原沖の水深52メートルのポイントへ。
船首からパラアンカーを下ろすが、目印のブイはなかなか船から離れず、
潮はあまり流れていないようだ。
ブイはパラシュートの頂点に繋がれていて、オレンジのロープを引いて回収する
昨シーズン品薄に陥った冷パンは「大えび」とあるが中小型が目立つ。
大き目のエビを選び、ビンビンテンヤ8号に付けて投入。
去年5月の釣行以来の一つテンヤ釣りに胸を躍らせる。
一つテンヤの友、大えびは昨シーズンより小粒?
道糸がふけ、55メートルで着底。潮の流れは緩慢のようだが、
数回しゃくると糸が前方に払いだされ、水深より10メートル近く糸が出る。
底潮は想像以上に流れているのかもしれない。
ここは仕掛けの入れ替えがキモと、何度も巻いては落とすを繰り返す。
ビンビンテンヤ8号オレンジにエビ1匹掛けでスタート
最初のアタリは左舷トモの釣り人に訪れた。
テンヤ竿を大きくしならせてやり取りしていたが、
残念ながら上がってきたのは期待を裏切るサメだった。
その後はエサ取りのアタリもなく、
エンジン音の消えた海原に沈黙が続いた。
そんな静寂を引き裂くように、金属的なドラグ音がうなりを上げる。
音のする左側を振り向くと、K君の竿が折れんばかりに曲がっている。
暴走するように糸が引き出され、竿先は何度ものされる。
駆けつけた船頭に「きた~、大ダイ、3キロ」とはやし立てると
「いやそんなモンじゃきかないでしょ。もっとデカイよ」
竿先を見つめながらプロの目で診断する。
ところが…、
強烈な引きをいなしながら徐々に巻き寄せ、残り20メートルになった瞬間、
あろうことかK君の「あっ」という無常の叫び声とともに
竿のテンションがふ~っと戻ってしまったのだ。
K君の雄姿を撮ろうとiphonoを構えた途端の悪夢だった。
「ガクガクと首を振った途端、バレた」と肩を落とすK君。
幻に終わった大ダイの姿を拝めず、本人は当然のことながら、
自分も船頭も深いため息をついて悔しがる。
この日の第1号は産卵期を迎えでっぷりと太った良型ホウボウ
その後は自分に腹ボテの良型ホウボウが上がっただけ。
普段やかましいエサ取りのちょっかいもまったくなく、
大原沖に見切りをつけ岩船沖へ移動した。
朝イチで大物をバラしてしまうと、
本人も船頭も船中が消沈してしまいがちになる。
ところが、この岩船沖への移動が大成功となり、
大ダイへの道が切り開かれていったのだった。
※長文になったので大ダイ編は続きとさせていただきます。陳謝。
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大ダイの編、勿体をつけないで早くアップして下さいね。首がキリンみたいになっちゃうので~(^0^)
大えび、今回のはかき揚げの天ぷらにも使えそうなサイズですね。仰るとおりです(^^)
このサイズだと、頭の先までは神経破壊が出来なかったのでは?
やり取りの終盤、魚影に先立って泡が浮いて来た時、何キロあるだろうかと心躍りますよね。
お目でとう!
大漁祝いに自作のテンヤを贈ります。春のノッコミで、是非是非競い合いましょう。
コメントありがとうございます。
内容の濃い釣りでしたので駄文長文に…。
近日公開、ということでよろしくお願いいたします。
久しぶりのコメントありがとうございます。
タイの神経締めは初挑戦でしたが、まずまずうまくいきましたよ。
4日経っても身がコリっと活きてて、バツグンに旨かったです。
ノッコミを楽しみにしてますんで、よろしくお願いいたします。