外房のヤリイカがこの時期、早くも好釣で賑わっている。
釣り場は海中公園沖の水深120m前後。勝浦漁港から航程17、8分と至近距離で、
初栄丸では浅場のメバル&カサゴとの変則贅沢リレー釣りで出船と聞き、
急遽木曜日に休みを取り釣友K君と乗船した。
釣り場が近いため、5時半集合とゆっくりできる。そうは言っても、そこは釣りバカの性。
4時起きでOKなのに1時半に目が覚めてしまった。眠りたいのに、眠れない。
ヤリイカが1杯、ヤリイカが2杯、ヤリイカが3杯、ヤリイカが……。
ゾロゾロと仕掛けに連なるヤリイカを数えるお呪いを唱えてみても、再び眠りにつくことは、なかった。
結局、いつもと変わらぬ睡眠時間のまま港に駆けつけ、釣り人5人で出船した。
勝浦漁港 カツオ船などの大型船に押しやられるように漁港南端にひっそりと佇む
海中公園の南西沖の釣り場に着くと、好釣果を物語るように平日にも関わらず
およそ30艘の遊漁船が船団を組んでいる。
天候は晴朗なれど、北風10m~13mとタフコンディション。
朝のうちはサバ除けのため、初めは14㎝ヅノ12本の直結仕掛けで挑んだ。
ところが2.4mのヤリイカ竿でオモリ150号+中オモリ30号の電動直結釣りは、
運動不足の身にはあまりにもハード過ぎ、わずか2投でギブアップ。
幸いこの日はサバも多くなさそうなので、セオリー通り11㎝ヅノ7本のブランコ仕掛けにチェンジした。
船中ポツン、ポツンと中型ヤリイカと大型スルメイカが顔を見せ始めた頃、
50mほど高速で仕掛けを巻き上げ、再度着底した直後にようやく私の竿にも乗りがきた。
「グーン」という荒っぽい乗りはスルメ。2、3度追い乗りを誘ったが空振りのため
電動スイッチをONに。断続的なスルメの引きを楽しんでいると、底から30mほどで
「グッ、グーン」とさらに重さが加わった。
初めは、サバ? と思ったが、ガタガタと竿先を震わせることはなく、
最初に掛かったスルメと交互に引き合うようにリールを唸らせる。
強烈な水鉄砲を撒き散らして顔を見せたのは、上から2番目のツノと
下から2番目の赤帽スッテに抱きついた胴長30㎝を悠に超えるでかスルメだった。
ヤリイカの塩辛 でかスルメが混じるこの時期はヤリイカ塩辛が絶品
本命ヤリイカが乗ったのも、セオリー通りに底を取り直したときで、
「クン、クン」と竿先をわずかに揺らす優しい乗り。二段、三段と誘い上げていくと、
竿先は「キューン」と曲がったまま戻らない。中速で丁寧に巻き上げた仕掛けには
下から4つ、いずれも胴長27、8㎝の良型ヤリイカ4杯が乗っていた。
その後、再度4点掛けと単発を加えて、ヤリイカ11杯、スルメ3杯を追釣。
乗りが遠退いたのと北風が強まったこともあり、早めに浅場釣りに向かった。
吹き荒れる北風を跳ね返すように北上し、海中公園のすぐ沖合の水深20~30mまで戻る。
ヤリイカのタマゴ 1杯だけに貴重なタマゴが入っていた
当地の浅場根魚釣りの特徴は、他の場所と比べて仕掛けがひと際ゴツイこと。
幹糸5~6号、ハリス4~5号で丸セイゴ16~17号の2本バリ。オモリは50号を使用する。
14、5㎝はあろうかという冷凍カタクチイワシをエサにするわけだから、
コレに食らいつく根魚もハンパない。
ヘラブナのように体高のあるクロメバル(最近の学術的にいえばアカメバル?)や
カサゴは尺サイズも珍しくなく、2、3㎏級のヒラメやマハタまでアタックしてくる。
釣り人も船頭も、期待を込めてメバル・カサゴからの魚信を待ったが、結果はまったくダメだった。
船頭は、ときに5m以上も高低差のあるキツイ根を何度も流し変えて当たりを探ってくれたが、
一度だけエサを齧られただけで結局「春告魚」にはお目にかかれなかった。
「釣り場が近いから、元気出してまたイカをやりましょう」
沖上がりまで小一時間。寒風の中で釣れずに落ち込んだ釣り人は船頭に励まされ、
再度イカ場に向かった。
マサバの〆鯖 スナズリ部はマグロの大トロのような霜降り状態
ところが、それからさらに落ち込むことになったのが自分だった。
朝方の船団はすでに散り散りになり、ポツン、ポツンと点在しているだけ。
しゃくりパターンを変えて誘いを繰り返しても、すでに乗りは遠ざかっていた。
一瞬だけヤリイカが回遊してきたのか右舷では5、6点掛けも見られたというのに、
左舷の私の竿にはまったく乗りが訪れることはなかった。
ヤリイカ納豆 ヤリイカを入れた贅沢なイカ納豆。赤いのはカリカリ梅
最後の流し、右舷の艫寄りでこの日一度だけ竿を出した船頭の軟調竿の置き竿には、
6杯のヤリイカが掛かっていたという。
私を見た船頭は、ニヤリと笑った。
昨年、サクラ前線の北上よりも遅れた外房ヤリイカ前線。
今年は早くも開幕宣言が謳われ、ロングランの兆しである。
パラソル級が満開となるのも、そう遠くはない。
釣り場は海中公園沖の水深120m前後。勝浦漁港から航程17、8分と至近距離で、
初栄丸では浅場のメバル&カサゴとの変則贅沢リレー釣りで出船と聞き、
急遽木曜日に休みを取り釣友K君と乗船した。
釣り場が近いため、5時半集合とゆっくりできる。そうは言っても、そこは釣りバカの性。
4時起きでOKなのに1時半に目が覚めてしまった。眠りたいのに、眠れない。
ヤリイカが1杯、ヤリイカが2杯、ヤリイカが3杯、ヤリイカが……。
ゾロゾロと仕掛けに連なるヤリイカを数えるお呪いを唱えてみても、再び眠りにつくことは、なかった。
結局、いつもと変わらぬ睡眠時間のまま港に駆けつけ、釣り人5人で出船した。
勝浦漁港 カツオ船などの大型船に押しやられるように漁港南端にひっそりと佇む
海中公園の南西沖の釣り場に着くと、好釣果を物語るように平日にも関わらず
およそ30艘の遊漁船が船団を組んでいる。
天候は晴朗なれど、北風10m~13mとタフコンディション。
朝のうちはサバ除けのため、初めは14㎝ヅノ12本の直結仕掛けで挑んだ。
ところが2.4mのヤリイカ竿でオモリ150号+中オモリ30号の電動直結釣りは、
運動不足の身にはあまりにもハード過ぎ、わずか2投でギブアップ。
幸いこの日はサバも多くなさそうなので、セオリー通り11㎝ヅノ7本のブランコ仕掛けにチェンジした。
船中ポツン、ポツンと中型ヤリイカと大型スルメイカが顔を見せ始めた頃、
50mほど高速で仕掛けを巻き上げ、再度着底した直後にようやく私の竿にも乗りがきた。
「グーン」という荒っぽい乗りはスルメ。2、3度追い乗りを誘ったが空振りのため
電動スイッチをONに。断続的なスルメの引きを楽しんでいると、底から30mほどで
「グッ、グーン」とさらに重さが加わった。
初めは、サバ? と思ったが、ガタガタと竿先を震わせることはなく、
最初に掛かったスルメと交互に引き合うようにリールを唸らせる。
強烈な水鉄砲を撒き散らして顔を見せたのは、上から2番目のツノと
下から2番目の赤帽スッテに抱きついた胴長30㎝を悠に超えるでかスルメだった。
ヤリイカの塩辛 でかスルメが混じるこの時期はヤリイカ塩辛が絶品
本命ヤリイカが乗ったのも、セオリー通りに底を取り直したときで、
「クン、クン」と竿先をわずかに揺らす優しい乗り。二段、三段と誘い上げていくと、
竿先は「キューン」と曲がったまま戻らない。中速で丁寧に巻き上げた仕掛けには
下から4つ、いずれも胴長27、8㎝の良型ヤリイカ4杯が乗っていた。
その後、再度4点掛けと単発を加えて、ヤリイカ11杯、スルメ3杯を追釣。
乗りが遠退いたのと北風が強まったこともあり、早めに浅場釣りに向かった。
吹き荒れる北風を跳ね返すように北上し、海中公園のすぐ沖合の水深20~30mまで戻る。
ヤリイカのタマゴ 1杯だけに貴重なタマゴが入っていた
当地の浅場根魚釣りの特徴は、他の場所と比べて仕掛けがひと際ゴツイこと。
幹糸5~6号、ハリス4~5号で丸セイゴ16~17号の2本バリ。オモリは50号を使用する。
14、5㎝はあろうかという冷凍カタクチイワシをエサにするわけだから、
コレに食らいつく根魚もハンパない。
ヘラブナのように体高のあるクロメバル(最近の学術的にいえばアカメバル?)や
カサゴは尺サイズも珍しくなく、2、3㎏級のヒラメやマハタまでアタックしてくる。
釣り人も船頭も、期待を込めてメバル・カサゴからの魚信を待ったが、結果はまったくダメだった。
船頭は、ときに5m以上も高低差のあるキツイ根を何度も流し変えて当たりを探ってくれたが、
一度だけエサを齧られただけで結局「春告魚」にはお目にかかれなかった。
「釣り場が近いから、元気出してまたイカをやりましょう」
沖上がりまで小一時間。寒風の中で釣れずに落ち込んだ釣り人は船頭に励まされ、
再度イカ場に向かった。
マサバの〆鯖 スナズリ部はマグロの大トロのような霜降り状態
ところが、それからさらに落ち込むことになったのが自分だった。
朝方の船団はすでに散り散りになり、ポツン、ポツンと点在しているだけ。
しゃくりパターンを変えて誘いを繰り返しても、すでに乗りは遠ざかっていた。
一瞬だけヤリイカが回遊してきたのか右舷では5、6点掛けも見られたというのに、
左舷の私の竿にはまったく乗りが訪れることはなかった。
ヤリイカ納豆 ヤリイカを入れた贅沢なイカ納豆。赤いのはカリカリ梅
最後の流し、右舷の艫寄りでこの日一度だけ竿を出した船頭の軟調竿の置き竿には、
6杯のヤリイカが掛かっていたという。
私を見た船頭は、ニヤリと笑った。
昨年、サクラ前線の北上よりも遅れた外房ヤリイカ前線。
今年は早くも開幕宣言が謳われ、ロングランの兆しである。
パラソル級が満開となるのも、そう遠くはない。