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フグ料理の旨さに異論を唱える人は少ないだろう。
てっさ、てっちり、しゃぶしゃぶ、唐揚げ、一夜干し…。
ショウサイフグの場合ヒレにも毒がありご法度だが、
良型フグの尾ビレでヒレ酒を試したこともある。(当然、自己責任)
一味を効かしたモミジおろしと刻んだ万能葱をたっぷり入れたポン酢に浸し、
フグで葱を挟むようにしてワシワシとしわぶる。
他の刺身は連食するとあまり食指が動かなくなるが、てっさだけは別格で朝、
昼、晩続いても飽きることはない。
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ところが、つい最近まで実に「モッタイナイ」ことをしてきた愚かさを知らされた。
黙々とフグを引く私に、釣友K君がこう言うのだ。
「その薄皮、捨てないで取っておいて。後で珍味作ってやっから」
そして、含み笑いを浮かべたK君が目の前に差し出したのが、
上の写真の「フグの薄皮の湯引き」である。
イモ虫の湯引きに見えなくもないが、フグの身皮の形状だから致しかたない。
フグやカワハギのいわゆるサクは、素人には薄皮を剥ぎ難いことから、
薄皮を下にして身をそぎ取るように包丁を入れる。
できるだけ薄皮に身が残らないよう包丁を寝かせて切り、最後は切っ先で
薄皮をすくい取り生ゴミ入れに投げ捨てる。
これが、いかにもプロの板前のようにカッコイイと思っていたのが大きな間違いだった。
もっとも、プロは湯引きを造るためにこんな切り方はやらず、
予め薄皮を切り取った後でフグを引くのだろう。
少し身が残る薄皮を湯引きし、ポン酢、小葱、モミジおろしで和えて食せば、
シコシコの食感とともに何とも言えぬフグの旨みが口の中に広がり“幸フク感”に浸れる。
目からウロコならぬ、身からウスカワが剥げるような旨い肴となる。
いままで10年以上もフグ釣りをやってきて、何百、いや何千もの薄皮を処分してきたことか。
ああ、モッタイナイ。
この時以来、薄皮に身を残さないどころか逆に多少残すように薄皮を引き、
フグ料理の新たな肴として味わっている。
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フグのキムチ和え
少量の醤油、胡麻油を加えると吸収力の強いフグの身はキムチ色に染まり、濃厚な韓国フードに変身する。
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フグの一夜干し
これも最近は、あえて身を残すように三枚におろしている。
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ガンゾウビラメの一夜干し
ガンゾウは干物にすると旨いうれしい外道。