岩船沖一つテンヤ 大ダイ浮上す

大ダイが潜む岩船沖のポイントは水深20～45メートル。
Ｋ君の最新兵器・探検丸ミニを見せてもらうと、
鋸の刃のようなギザギサが連なり、根掛かりに注意が必要だ。

テンヤを6号に交換して気分一新、タイからの魚信を待つ。
大原沖では見られなかったエサ取りのアタリが出るようになり、
緊張感は高まるものの、上がってくるのはベラ、ウマヅラなどの外道ばかり。

しばらくして、ようやくＫ君にタイらしい弾力的なアタリが訪れた。
大原沖で逃がした“幻魚”の引きとは比べようもないが、
上がってきたのは0.8キロ級ながら船中第1号となる本命だった。



またまたＫ君に先を越され、首をかしげながら
シャクった竿を下ろし始めた途端、待望久しい「ゴン」の鋭角的なアタリ。
グイグイと下に持っていこうとする引きに本命を確信する。
小気味よい引きを堪能しながらやりとりを楽しむ。
浮上してきたのは1キロ級の綺麗なマダイだった。

その後しばらく沈黙が続いたが、
やがて真打登場のクライマックスが訪れる。
口火を切ったのはまたもやＫ君。
けたたましいドラグ音を轟かせ、
巻いては引き出されのやりとりを繰り返す。

朝と同じ轍を踏まないＫ君の慎重な竿捌きで、さすがの大物もギブアップ。
海中で揺れていた白い魚体は、次第に大きく膨らみながら浮上してくる。



「朝のあの引きは、これよりもっと凄かった」
ようやく仕留めた大物に安堵するＫ君の手に収まったのは
60センチ、４キロの見事な大ダイだった。

ここまでＫ君の後塵を拝し、二番手に甘んじてはいるものの、
目の前で大ダイを見せられたからには、さらに奮い立たねばいけない。
仕掛けの入れ替えや、タナのレンジを変えるなど
一つテンヤの少ない引き出しをあさり、大ダイへの道を探る。



それから、あまり時間が経っていない頃だった。
フォーリング中に沈んでいく糸がフッと止まった。
これを見逃すことなく素早く竿を立てると、
根掛かりしたように抑え込まれる。

リールを巻きながらさらに竿を起こせば、
なおも引きずり込まれ、ドラグが勢いよく唸り始める。
ここからが、前編の冒頭シーンとなる。(駄文長文で2回になり構成ミス)

右腕を痺れさす抵抗をしのぎ、船頭が差し出すタモに入ったのは
58センチ、3.5キロの、何とか大ダイと呼べる本命。



３キロ越えはいつ以来か記憶も薄れてしまったが、
一つテンヤでは初となる大ダイにしばし見とれてしまう。

その後は鯛めしサイズの小ダイを上げて本命3枚を数えたが、
絶好調Ｋ君の勢いは止まらず、1.5キロ級のタイを追釣し、
納竿間際には立派な尺メバルを仕留め、華麗なるフィナーレを飾った。


上が3.5キロ雄、下がｋ君が仕留めた4キロ雌の大ダイ

11時すぎに沖上がり。
仲間２人揃って大ダイと巡り合えた幸運に感謝する。
気分は、いつの間にか青空が広がった岩船沖の空のように清々しい。


大ダイのツーショットにオヤジ２人とも自然と顔がほころぶ





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