いまや飛ぶ鳥ならぬ、マンモス鯛をも落としてしまう勢いの「一つテンヤ釣法」。
スピニングリールでしゃくるマダイ釣りから「スピマダ」とも呼ばれている。
本家・大原でのフィーバーを口火に、外房・南房一帯に飛び火し各地で持て囃されている。
おかげで、キス釣り用の小型スピしか知らない両軸派釣り親父は
目玉が飛び出るような高級スピの価格に圧倒され、
手バネ鯛釣りでしか需要がなかったテンヤと手打ち鯛バリの品薄状態に翻弄されるばかり。
ダブルハンドルが気に入ってネット購入したスピニングリール
とりあえず、リールはD社のカルディアKIX2506ダブルハンドルをネットで落とし、
竿は浅草の有名釣具オリジナルの専用竿を予約。3月末には手元に届くという。
0.8号のPEラインは同店で100メートル1500円の格安で仕入れることができた。
テンヤは5号~12号までを数個ずつ作り、来るその日に備えていた。
そんな中、釣友K君から悪魔の誘いがあったのだ。
「水曜日に仲間3人と一つテンヤ行くけど、どうよ」
月末の週中日に仕事を休んで釣りなんて…、できるわけが…、あってもいいか。
上述したように日頃からの備えがなければ、決して事はウマく運ばない。
(サボったおかげで仕事に追われアップが遅れた)
竿は未入荷だが、手持ちの中から、いま噂の「バイオインパクト……、キス」にした。
180センチの短竿がこの釣りには心もとないが、
自重81グラムの軽量さとカルディアとのメタリックな組み合わせを優先した。
K君からの誘いを受け、同類を引きずり込もうと、
横芝のご隠居とムラさんにも声をかけた。
連絡した25日、あろうことか2人は波崎から沖メバル釣りに出陣していた。
それも頭36匹の釣果にもかかわらず、2人合わせてもその半分以下の貧果に終わったという。
撃沈に打ちひしがれ、わずか10日間で3回の釣行は老骨にはムリだろうと思っていたら、
その日スソを食らったムラさんが、果敢にも一つテンヤに食らいついてきたのだ。
パラアンカーを打ちポイントを流していく
というわけで、メンバーは自分とムラさん、K君と後輩のフルちゃん、焼き鳥親方Jちゃんの5人。
船宿は昨年からこの釣りに力を入れている大原港・孝栄丸。
スピマダ後発組ながらフグ釣り同様に船頭の腕とカンを発揮し、着実に結果を挙げている。
5時半に太東沖を目指して出船。航程40分ほどでポイントに到着した。
船首からパラシュートアンカーを打ち、船を後退させ安定させてから釣り開始。
水深はおよそ40メートル。船頭が指示したテンヤは8号。
エサのレイパン(冷凍エビ)を丁寧にハリに刺し、初釣り物の緊張の第一投となった。
通称レイパンと呼ばれる冷凍エビ。テンヤが回転しないよう真っ直ぐにエサ付けする
わずか約30グラムのオモリに引っ張られ、
ラインは静かに、そして確実に海底へと導かれていく。
やがて、ラインがふわっとたるみ着低を知らせる。
初めてで心配していた底ダチは、ハッキリと取ることができた。
そこから、海面まで下げた竿を目の高さまでシャクリ、一気に竿先を下げたり、
テンヤの重さを感じながらゆっくり下げたりと誘いを繰り返す。
エンジンを切り、潮流と風任せで船を流していくこの釣りならではの釣趣。
船体を洗う波の囁きが心地よい。
8号のテンヤに引かれてラインがシュルシュルと出ていく様は心地よい
数年前のビシマ釣り以来の釣趣に浸っていると、
第一投目から小気味よい「グッ、グッ」のアタリが竿先を振るわせた。
アタリ即アワセのセオリー通り、大きく竿を振り上げて大アワセすると
「ジー、ジー」とドラグがすべる、噂に聞く金属音が鳴り響く。
初めてでドラグ設定が心もとないため、巻き上げ中もジージーと断続的に悲鳴を上げるが、
手ごたえは本命タイのそれとは経験的に違うようだ。
それでも、初スタイルの釣り方の感触を確かめながら魚とのやり取りを楽しむ。
上がってきたのは、この釣り定番外道のウマヅラハギ。
それも40センチをゆうに超える巨ウマだった。
40センチオーバーの巨ウマ。この季節のウマは身もキモも楽しみ
開始1時間ほどは、ものの1分もエサがもたないくらいアタリが頻繁にあった。
手のひらサイズながら本命タイをK君がゲットし、常に誰かの竿が曲がっていたほど。
自分も30センチ級のマハタ2匹をはじめ、大型のウマが樽の中を占領していた。
ところが、日が高くなるにつれてアタリは遠のき、
エサも齧られることなく、そのままの姿で戻ってくるようになった。
海況は無風、ベタ凪。大原沖ではあまりお目にかかれないような
ぬた~とした海面が、この日ばかりは恨めしく感じる。
おまけに水温低下と澄み潮、さらに潮も流れずとあっては、
船頭の嘆き節が聞こえてきても可笑しくはない。
鏡に近いベタ凪の海。水温低下、済み潮、潮流れずの三重苦に悩まされる
そこで意を決した船頭は、70メートルの深場へ移動を決断。
着いたポイントでは、この釣りの先駆船のK丸やS丸も流していた。
が、ここでもアタリは遠く、たまにウマがいたずらするだけで
海面同様にまったりと時がすぎてゆくばかりだった。
釣れないタイに惑わされ、悶々とした時間を過ごす親方Jちゃん(上)とフルちゃん
ベタ凪の海になったため、ここでテンヤを6号にチェンジした。
少しでも軽いテンヤを使い、落とし込みで攻めてみる。
6号テンヤでも問題なく底ダチは取れるが、
タイからの魚信は、相変わらず音信普通のまま。
そんな中で一人気を吐いたのはムラさん。
ハデなネクタイを装着した鯛ラバにエサを付け
水面下70メートルの底で、仕掛けの上げ下げを繰り返していた。
そして、ギュインと短竿をしならせ、
喜色満面の笑みを浮かべながら浮上させたのは、見まごうことなく鬼カサゴ。
それも2匹も仕留めたから恐れ入った。
これに習ったK君も終盤、ヒラヒラ付きテンヤでホウボウ、ハタを追釣したという。
鯛ラバでまずまずのサイズの鬼カサゴを仕留めたムラさん。参りました
最終的に、5人で本命タイはチャリコ3匹。
ウマ多数、ハタ0~3、オニ3匹、ホウボウ1匹で終了。
結果的には、いわゆる「凪倒れ」になってしまったが新たな釣味を覚え、
5人とも一つテンヤの魅力にとりつかれてしまったようだ。
本日の釣果。前回とは真逆のブラックなクーラー
「釣りブログ村」ランキングに参加中。
↓下の「船釣り」ボタンをクリックして下さい。
よろしくお願いいたします!
にほんブログ村
スピニングリールでしゃくるマダイ釣りから「スピマダ」とも呼ばれている。
本家・大原でのフィーバーを口火に、外房・南房一帯に飛び火し各地で持て囃されている。
おかげで、キス釣り用の小型スピしか知らない両軸派釣り親父は
目玉が飛び出るような高級スピの価格に圧倒され、
手バネ鯛釣りでしか需要がなかったテンヤと手打ち鯛バリの品薄状態に翻弄されるばかり。
ダブルハンドルが気に入ってネット購入したスピニングリール
とりあえず、リールはD社のカルディアKIX2506ダブルハンドルをネットで落とし、
竿は浅草の有名釣具オリジナルの専用竿を予約。3月末には手元に届くという。
0.8号のPEラインは同店で100メートル1500円の格安で仕入れることができた。
テンヤは5号~12号までを数個ずつ作り、来るその日に備えていた。
そんな中、釣友K君から悪魔の誘いがあったのだ。
「水曜日に仲間3人と一つテンヤ行くけど、どうよ」
月末の週中日に仕事を休んで釣りなんて…、できるわけが…、あってもいいか。
上述したように日頃からの備えがなければ、決して事はウマく運ばない。
(サボったおかげで仕事に追われアップが遅れた)
竿は未入荷だが、手持ちの中から、いま噂の「バイオインパクト……、キス」にした。
180センチの短竿がこの釣りには心もとないが、
自重81グラムの軽量さとカルディアとのメタリックな組み合わせを優先した。
K君からの誘いを受け、同類を引きずり込もうと、
横芝のご隠居とムラさんにも声をかけた。
連絡した25日、あろうことか2人は波崎から沖メバル釣りに出陣していた。
それも頭36匹の釣果にもかかわらず、2人合わせてもその半分以下の貧果に終わったという。
撃沈に打ちひしがれ、わずか10日間で3回の釣行は老骨にはムリだろうと思っていたら、
その日スソを食らったムラさんが、果敢にも一つテンヤに食らいついてきたのだ。
パラアンカーを打ちポイントを流していく
というわけで、メンバーは自分とムラさん、K君と後輩のフルちゃん、焼き鳥親方Jちゃんの5人。
船宿は昨年からこの釣りに力を入れている大原港・孝栄丸。
スピマダ後発組ながらフグ釣り同様に船頭の腕とカンを発揮し、着実に結果を挙げている。
5時半に太東沖を目指して出船。航程40分ほどでポイントに到着した。
船首からパラシュートアンカーを打ち、船を後退させ安定させてから釣り開始。
水深はおよそ40メートル。船頭が指示したテンヤは8号。
エサのレイパン(冷凍エビ)を丁寧にハリに刺し、初釣り物の緊張の第一投となった。
通称レイパンと呼ばれる冷凍エビ。テンヤが回転しないよう真っ直ぐにエサ付けする
わずか約30グラムのオモリに引っ張られ、
ラインは静かに、そして確実に海底へと導かれていく。
やがて、ラインがふわっとたるみ着低を知らせる。
初めてで心配していた底ダチは、ハッキリと取ることができた。
そこから、海面まで下げた竿を目の高さまでシャクリ、一気に竿先を下げたり、
テンヤの重さを感じながらゆっくり下げたりと誘いを繰り返す。
エンジンを切り、潮流と風任せで船を流していくこの釣りならではの釣趣。
船体を洗う波の囁きが心地よい。
8号のテンヤに引かれてラインがシュルシュルと出ていく様は心地よい
数年前のビシマ釣り以来の釣趣に浸っていると、
第一投目から小気味よい「グッ、グッ」のアタリが竿先を振るわせた。
アタリ即アワセのセオリー通り、大きく竿を振り上げて大アワセすると
「ジー、ジー」とドラグがすべる、噂に聞く金属音が鳴り響く。
初めてでドラグ設定が心もとないため、巻き上げ中もジージーと断続的に悲鳴を上げるが、
手ごたえは本命タイのそれとは経験的に違うようだ。
それでも、初スタイルの釣り方の感触を確かめながら魚とのやり取りを楽しむ。
上がってきたのは、この釣り定番外道のウマヅラハギ。
それも40センチをゆうに超える巨ウマだった。
40センチオーバーの巨ウマ。この季節のウマは身もキモも楽しみ
開始1時間ほどは、ものの1分もエサがもたないくらいアタリが頻繁にあった。
手のひらサイズながら本命タイをK君がゲットし、常に誰かの竿が曲がっていたほど。
自分も30センチ級のマハタ2匹をはじめ、大型のウマが樽の中を占領していた。
ところが、日が高くなるにつれてアタリは遠のき、
エサも齧られることなく、そのままの姿で戻ってくるようになった。
海況は無風、ベタ凪。大原沖ではあまりお目にかかれないような
ぬた~とした海面が、この日ばかりは恨めしく感じる。
おまけに水温低下と澄み潮、さらに潮も流れずとあっては、
船頭の嘆き節が聞こえてきても可笑しくはない。
鏡に近いベタ凪の海。水温低下、済み潮、潮流れずの三重苦に悩まされる
そこで意を決した船頭は、70メートルの深場へ移動を決断。
着いたポイントでは、この釣りの先駆船のK丸やS丸も流していた。
が、ここでもアタリは遠く、たまにウマがいたずらするだけで
海面同様にまったりと時がすぎてゆくばかりだった。
釣れないタイに惑わされ、悶々とした時間を過ごす親方Jちゃん(上)とフルちゃん
ベタ凪の海になったため、ここでテンヤを6号にチェンジした。
少しでも軽いテンヤを使い、落とし込みで攻めてみる。
6号テンヤでも問題なく底ダチは取れるが、
タイからの魚信は、相変わらず音信普通のまま。
そんな中で一人気を吐いたのはムラさん。
ハデなネクタイを装着した鯛ラバにエサを付け
水面下70メートルの底で、仕掛けの上げ下げを繰り返していた。
そして、ギュインと短竿をしならせ、
喜色満面の笑みを浮かべながら浮上させたのは、見まごうことなく鬼カサゴ。
それも2匹も仕留めたから恐れ入った。
これに習ったK君も終盤、ヒラヒラ付きテンヤでホウボウ、ハタを追釣したという。
鯛ラバでまずまずのサイズの鬼カサゴを仕留めたムラさん。参りました
最終的に、5人で本命タイはチャリコ3匹。
ウマ多数、ハタ0~3、オニ3匹、ホウボウ1匹で終了。
結果的には、いわゆる「凪倒れ」になってしまったが新たな釣味を覚え、
5人とも一つテンヤの魅力にとりつかれてしまったようだ。
本日の釣果。前回とは真逆のブラックなクーラー
「釣りブログ村」ランキングに参加中。
↓下の「船釣り」ボタンをクリックして下さい。
よろしくお願いいたします!
にほんブログ村
本命マダイがアテ外れでも、外道に良い魚が多くて面白い釣りですね!
いずれ湾フグにもトライして下さいね(^^)
こんにちは。
早速のコメントありがとうございます。
平日にサボったあおりで週末まで仕事に終われました。
皆さんのようになかなか即アップできずに反省しております。
一つテンヤは、やっぱ面白いですね。
軽い仕掛けに突然襲ってくるアタリは何ともいえずクセになりそうです。
けど、ヒトツテンヤはそのうちにゆっくり・・・と思っていた矢先、【釣りロマンを求めて】で、哲ッちゃんが釣っているのを見て、俄然、隠居の闘争心に火がついてしまった。
形から入る隠居にとって、キス竿の代用なんて許せない!まして、去年までのビシマのテンヤも許せない!
そんな訳で、手元には何故か【BIOIMPACT225MH】があるのだ。書斎には、金色や蛍光グリーンのテンヤも、金床や小型ハンマーも、ケプラーもあるのだ。
2号から12号まで一式を揃えて待ってるから、平日の釣りに連れてってね(爆)
信栄丸で、午前のヒラメ&夕マズメの真鯛リレーなんて面白いと思わない?待ってるよ~~~
コメントありがとうございます。
そうそう、昨日TVでやってたね。川津沖だけど。
それで、バイオインパクト仕入れたの? マジっすか?
ここんとこ、形から入るの入りすぎじゃない(爆)
そりゃ~金欠にもなるっしょ。
225MHより長い255Mがエエかもよ(笑)
外房の老大将として、
外房の若大将に負けないで頑張ってください。
しかし、一日通しでヤル体力は、自身ねえっすが…。
真っ赤になるはずのクーラーが真っ黒でしたか。
外房のテンヤ真鯛って外道が豊富なんですね。
でも、オカズ的には黒いほうが良いような気がします。
しかしウマのデカさ半端じゃないですね。
自分はあんなデカイの見たことありません。
コメントありがとうございます。
この季節のウマはホントでかいですよ。
スレでもかかってものなら、何がきたかビックリするほどです。
キモもカワハギの軽く2~3倍ありますし、
キモ好きにはたまりません。
即合わせと知らずに、食い込むのを待っていたので釣れなかったみたいです。
ヒラメじゃないんだから待ってちゃだめなんですね。
コメントありがとうございます。
そう、即合わせですよ。
おりゃ~~と、思い切りビシッと合わせちゃって下さい。
今度ご一緒しましょう。
ご隠居がてぐすね引いてますから(笑)
最近一つテンヤ始めましたが活きエビがいいのがなく写真がでていましたのであつかましく
問い合わせしました・発売元と電話番号がわかりましたらお教えください。こちらは熊本です
この大きさのが釣具店にありません。
いつも白エビ(生きているもの)を使いますが無い日があるので冷凍を探しています。
よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
返答が遅くなり失礼いたしました。
こちらではエサの冷凍エビはほとんどの場合、船宿で用意してくれています。
釣具店等でも同様のものが販売されていますが、
ご案内の通り最近のブームで大型エビは品薄になっています。
最近、通販で購入できる「花エビ」が巷で話題に上っています。
仲間でもそこそこ成果があったようなので、問い合わせてみてはいかがでしょう。
つりえさ倶楽部マリン「花エビ」
http://www.esamari.com/SHOP/hanaebitenya.html
よい釣りが出来ますように、お祈りいたします。