
木更津・牛込沖の夜アナゴが、キラめくネオン街のごとく賑わいを見せている。
アナゴは個人的に釣り物の肴のなかでは5指に入る旨さと信じており、
白焼き、煮アナゴ、骨せんべい、と呑兵衛釣り師にはたまらない。
キス・アナゴのリレー船が始まったら繰り出そうと狙っていたが、
前日の釣果をのぞくとトップ80匹、次頭51匹、3番手27匹。
腕の差が歴然と出る釣り物だが半数以上が二桁だったというから、
釣座右の銘「釣れているときに、釣れている場所へ」の心得通り
江戸前の旬の味を求めて22日のサタデーナイト、長浦港・こなや丸から出船した。

貨物船がひしめく長浦港。沖堤に向かう渡船にも多数の釣り人が。奥がアナゴ船
集合時間の1時間前に宿に着くと番号札はすでに「18番」。
残りの札は6、7枚あったけれども、人気の高さはウナギ上りならぬアナゴ上り!
座席決めは番号順に乗船するシステムで、右舷トモから6番目に釣り座を構え、
定刻17時半に岸壁を離れた。片舷に11人、ミヨシ突端とスパンカ下も加え、
この日の釣り人は24、5人はいたようだ。

薄っすらと西日がさす中、ポイントの牛込沖をめざす
暮れなずむ東京湾の心地よい夕風を受けながら
およそ15分でアクアラインの北側、牛込沖の水深10メートルのポイントに到着。
すでに湾奥や神奈川方面の釣り船が船団を組んでおり、
それらの船をかき分けながらポイントを定め、アンカーが下ろされた。
このところ暗くなる前からアタリが出るそうで、
2年振りのアナゴ釣りに高まる期待を抑えるのもままならず、
頭の中で描いた白焼きを箸でふわりと千切るのを合図に実釣開始。
道具立ては、手づくり小物竿に釣鐘オモリ1本バリ仕掛けを右手に、
同じく手づくり和竿にアナゴ天秤2本バリ仕掛けを左手にして臨んだ。
開始10分ほどで左舷側に第1号が上がり、右舷でもミヨシ寄りで型を見た。
呪文のごとく内輪で流行の「夕マジメ、夕マジメ」と念じながら
軽くコヅキを繰り返していると、右手にコツンとわずかなアタリ。
気持ち竿先を送るように間を置き、エイヤとばかりに鋭くアワセを入れると
期待通りにハリ掛かり。ゴリ巻きで船上に抜き上げた初モノは
体長40センチオーバーの丸々とした良型アナゴだった。

phoro by こなや丸センチョ
夕暮れにグラデーションがかかる前に片目を開けることができ、
ウワサ通りの「豊漁アナゴ」と期待をいだかせたものの、
それから小1時間はまったくアタリがこない。
アナゴ釣り2度目という隣の釣り人はポツリ、ポツリと数を伸ばしているのに。
どっぷりと日が暮れて各船に照明が灯り、風物詩的な夜アナゴの情景に見とれていた頃。
ミヨシ先端を陣取る若い釣り人をふと見ると、3本の竿をいずれも遠投し
置き竿にしたままアタリを取り、次々にアナゴを釣り上げている。
後で知ったことだが、この人は前日に次頭になった常連さんで、
この日もダントツの竿頭になった名人だった。

ゆるやかに揺れる凪の海にアナゴ船の灯りがいくつも連なる
それからは、チョイ投げから遠投に切り替えて試してみた。
釣り座間隔の狭い満員状態で、2本の竿を投げるのは躊躇われたため
1本はチョイ投げで置き竿に、もう1本を遠投し手持ちでアタリを待つことにした。
初めは少しコヅキを入れながら手前に引いてくる釣り方を試してみたが、アタリなし。
そこで、遠投したまま糸がたるんできたら巻き取るように
あまり仕掛けを動かさないように待っていると「ブル、ブル」ときた。
短竿で前方から巻き寄せる時間も楽しく、ようやく両目を開けることができた。
この釣り特有の小突いて誘って食わせる釣趣とはかけ離れてしまうが、
それからは立て続けにアタリを取ることができ、
白いタル底はアナゴで黒く染まっていった。

船上でのアナゴ解体ショー。船頭1人で300本近いアナゴを捌くのだから大変だ
ビギナーと思われる若者グループは、船下への置き竿にもそこそこアタリがあった。
どうやらこの日はコヅキを入れる誘いよりも、たまに仕掛けを動かすぐらいの
待ちの釣り方がアナゴの気分に合っていたようだ。
それを証明するようにミヨシの置き竿名人が43匹のダントツ竿頭で、
前日の爆釣には及ばなかったものの24、5人中7人がツ抜け。
混雑必死の配当が限られてしまうサタデーナイトでは仕方がない…、
と12匹の釣果に甘んじた自分を慰めるのだった。
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穴子、アチコチで大流行ですね。
でもこの人数の乗合は乗りたくないっす(><)
暗い中、みんなが遠投すると大変なことになりそうな・・^^;
12本あれば旨い酒が飲めたことでしょう。お疲れさまでした^^
コメントありがとうございます。
当たり年とくれば、やっぱりどの船も満員打ち止めですね。
金土日は避けたいもんですが、なかなかそうはいきません。
takajinxeさんの「コツン」や「ブルブル」が来るのを心待ちにしましたが…、釈然としません(^^;;)。
頻繁に小突き過ぎるのは良くないらしいことはわかるんですが、百聞は一見に如かず、ですから、また試してみます。
アナゴ船乗ったと聞いていたのでレポ待ってましたよ。
アナゴさんも、その日のご機嫌で誘い方変えないとダメみたいですね。
捌いてる写真みると大きそうな船ですが24~5人はキツイですね。
そんな中ツ抜けですからご立派ですよ。
胴周りが太いのは刺身で食べたんでしょうか?
さすがに夜なのでグラサンなし、久々の「bd」マークに笑ってしまいました。
コメントありがとうございます。
釣鐘オモリが立ったり倒れたりする程度のコヅキとはよく言われますが、
意外とオモリが動くもので、食わせる間が大切なんでしょうね。
リベンジを期待しています。
コメントありがとうございます。
2年振りのアナゴだったんで、常連さんには当然適いませんが、
1/3以下の釣果には釈然としませんね。空いてる平日に行きたいモンです。
当日は白焼きコールに押され、残念ながら刺身は試せませんでした。
もう一度行けるといいんですけどね。
bdマンを笑っていただける人がいると思うと、
加工処理のしがいがあります(笑)。
超混みで、しかも胴の間で12本はお見事です!短時間の釣りモノだけにその日のパターンを掴んじゃうなんて流石ですね~
料理編も楽しみです~
コメントありがとうございます。
前日は今期2番目の釣果だったようです。
手軽で美味しいアナゴですから、この週末も激混み必死でしょうね。
日が暮れるまではエサを動かして誘い、
後半はあまり動かさない方が良かったようです。
好釣が長く続くといいですね。