「ゴールデンスランバー」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・中村義洋
原作・伊坂幸太郎
舞台は仙台。オール・ロケーションの力作であります。
まぁ、簡単に言うと、「逃げる映画」ですね(笑)!いやいやダメだと言ってるんじゃないっすよ。
ネタバレありますのでこれからご覧になる方はご注意ください!
運送会社に勤める青柳(堺雅人)は、ある日、大学時代のサークル仲間の森田(吉岡秀隆)に、釣りに行こうと久しぶりに呼び出されます・・。
大通りでは、初の仙台出身の野党系から出た総理大臣の祝賀パレードが行われる予定で、歩道は凄い人だかりでした・・。
まぁ、ここまで書けばお察しがつくやもしれませんが、呼び出した車の助手席に青柳が座ると、森田が血相を変えて、「お前、オズワルドにされるぞ・・!」この時の吉岡秀隆の末期的な形相は説得力があったっすね!
大通りで突然凄い爆発音がします。首相暗殺でした。
助手席を降りた青柳に向かって、警察官が拳銃を構えています・・。
反射的に走り出した青柳の後ろで、今まで乗っていた森田の車が爆発します・・。
青柳の逃走劇の始まりでした・・。
あんまりストーリーは書きたくなかったんですが、とりあえず、最低ここまで書かないとということで・・。
この作品は、観る角度によって、人それぞれ全く違う感想になると思いますな!
私は原作未読でしたが、逃走劇だというのは知っていましたので、「逃走劇とゴールデンスランバー(ビートルズの曲)と、どう結びつくんだ・・?」くらいな感じで観に行きました。
観終わって・・。
逃走劇、いわゆる「アクション・スペクタクル」的な期待は、私的には不満の残る作品でしたね~・・。
これほど国家権力の関わった事件なのに、青柳が逃げる隙がいたるところでありますし、
逆に、警察側から見れば、ここまで追い詰めれば逃がすはずないでしょう、という所で青柳を簡単に捕りそこねている・・。
まぁ、原作ありき、の場合、しばしば遭遇しますが、原作に忠実にするがために、「映画」としての全体のスピード感が無くなってしまう・・という・・。
同じ逃走劇でも、ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(TVシリーズの映画リメイク版ですが、私、大好きなんです(^^♪)などは、ストーリーに常に緊迫感とスピード感がありますよね~。
と、ここまで書くと私ががっかりして映画館を後にしたようですが・・。
実は結構満足して家路についたのですよ。
それはなぜかとたずねたら!
この作品にはもう一つの側面があったのですな。
劇中で暗殺犯にでっちあげられた青柳を、大学時代のサークル仲間であるカズ(劇団ひとり)、そしてかつて青柳と付き合っていた晴子(竹内結子)らがTVニュースを見て、「青柳さん(くん)はやっていない!」
彼を逃がすために、昔の仲間が何とかしようと動き始める・・。
これはあくまで私の予想ですが、中村監督は本当はこの青柳、晴子、カズ、森田たちの過ぎ去った青春のほろ苦さや、今となってはもう戻れないあの日々への憧憬を描きたかったのではないだろうか・・。
“かつて 道があった。 懐かしい故郷へとつづく道が。
かつて 道があった。 懐かしい家へとつづく道が・・”(GOLDEN SLUMBERS より)
少なくとも私は4人の回想のシークエンスで不覚にも涙した。
花火工場での青柳と晴子の初めてのキスシーンは、自分が青柳さんになったようにドキドキした・・!
そして時は流れ、晴子は別の男性と結婚し、子供もいる・・。
ラストシーンでの「たいへんよくできました」のスタンプには愛が感じられた・・。
この作品はわたしにとって、切ない青春映画として記憶に残ったのであります・・。
ひきばっち的満足度★★★★
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・中村義洋
原作・伊坂幸太郎
舞台は仙台。オール・ロケーションの力作であります。
まぁ、簡単に言うと、「逃げる映画」ですね(笑)!いやいやダメだと言ってるんじゃないっすよ。
ネタバレありますのでこれからご覧になる方はご注意ください!
運送会社に勤める青柳(堺雅人)は、ある日、大学時代のサークル仲間の森田(吉岡秀隆)に、釣りに行こうと久しぶりに呼び出されます・・。
大通りでは、初の仙台出身の野党系から出た総理大臣の祝賀パレードが行われる予定で、歩道は凄い人だかりでした・・。
まぁ、ここまで書けばお察しがつくやもしれませんが、呼び出した車の助手席に青柳が座ると、森田が血相を変えて、「お前、オズワルドにされるぞ・・!」この時の吉岡秀隆の末期的な形相は説得力があったっすね!
大通りで突然凄い爆発音がします。首相暗殺でした。
助手席を降りた青柳に向かって、警察官が拳銃を構えています・・。
反射的に走り出した青柳の後ろで、今まで乗っていた森田の車が爆発します・・。
青柳の逃走劇の始まりでした・・。
あんまりストーリーは書きたくなかったんですが、とりあえず、最低ここまで書かないとということで・・。
この作品は、観る角度によって、人それぞれ全く違う感想になると思いますな!
私は原作未読でしたが、逃走劇だというのは知っていましたので、「逃走劇とゴールデンスランバー(ビートルズの曲)と、どう結びつくんだ・・?」くらいな感じで観に行きました。
観終わって・・。
逃走劇、いわゆる「アクション・スペクタクル」的な期待は、私的には不満の残る作品でしたね~・・。
これほど国家権力の関わった事件なのに、青柳が逃げる隙がいたるところでありますし、
逆に、警察側から見れば、ここまで追い詰めれば逃がすはずないでしょう、という所で青柳を簡単に捕りそこねている・・。
まぁ、原作ありき、の場合、しばしば遭遇しますが、原作に忠実にするがために、「映画」としての全体のスピード感が無くなってしまう・・という・・。
同じ逃走劇でも、ハリソン・フォード主演の「逃亡者」(TVシリーズの映画リメイク版ですが、私、大好きなんです(^^♪)などは、ストーリーに常に緊迫感とスピード感がありますよね~。
と、ここまで書くと私ががっかりして映画館を後にしたようですが・・。
実は結構満足して家路についたのですよ。
それはなぜかとたずねたら!
この作品にはもう一つの側面があったのですな。
劇中で暗殺犯にでっちあげられた青柳を、大学時代のサークル仲間であるカズ(劇団ひとり)、そしてかつて青柳と付き合っていた晴子(竹内結子)らがTVニュースを見て、「青柳さん(くん)はやっていない!」
彼を逃がすために、昔の仲間が何とかしようと動き始める・・。
これはあくまで私の予想ですが、中村監督は本当はこの青柳、晴子、カズ、森田たちの過ぎ去った青春のほろ苦さや、今となってはもう戻れないあの日々への憧憬を描きたかったのではないだろうか・・。
“かつて 道があった。 懐かしい故郷へとつづく道が。
かつて 道があった。 懐かしい家へとつづく道が・・”(GOLDEN SLUMBERS より)
少なくとも私は4人の回想のシークエンスで不覚にも涙した。
花火工場での青柳と晴子の初めてのキスシーンは、自分が青柳さんになったようにドキドキした・・!
そして時は流れ、晴子は別の男性と結婚し、子供もいる・・。
ラストシーンでの「たいへんよくできました」のスタンプには愛が感じられた・・。
この作品はわたしにとって、切ない青春映画として記憶に残ったのであります・・。
ひきばっち的満足度★★★★