ハマウツボ科、Orobanchaceae、ハマウツボ(浜靫)属の寄生植物、ヨーロッパ中央と南西部に分布。
学名:Orobanche alba、
英名:Thyme Broomrape、
2013年5月23日、2014年5月17日、ポルトガル、エストレマドゥーラ地方で、2015年2月12日、4月29日、コスタ・アズール地方で撮影、
草丈は 10〜60cm。表示名は学名の音読み。完全に葉緑素を欠いた黄色から麦わら色の茎に、黄色、白や青色のキンギョソウのような花(唇形花)を咲かせる。
種子は微小で、成熟するにつれて黄褐から褐色、黒色に変色する。ハマウツボ属は葉緑素を持たないので、必要な栄養素は、完全に他の植物に依存している。ハマウツボの種子は、長年にわたって土壌中で休眠状態となり、宿主の植物の根から生じる特定の化合物の刺激によって発芽する。
ハマウツボは発芽すると根のように成長し、近くの宿主の根に付着する。一度宿主に付着すると、宿主から水と栄養素を奪い始める。この場合はカルポブローツス・エドゥリスCarpobrotus edulis に寄生して生きている。
花の直径は 1cm ほど。花は一般に冬の終わりから春の終わりに開花する。開花していない時は、その植物体全部が土の中に隠れている。オロバンケ・アルバ Orobanche alba でした。
©2021 MUZVIT
(GKZ植物事典より)和名は、学名の音読みから。属名は、ギリシャ語の orobos (=マメの1種)と anchein (=絞め殺す)の合成語から。種小名は「白色の」の意。
オロバンケ・アルバはハマウツボ科の 1年草である。概して畑地や牧草地、路傍等に見られる野草である。本種は、ハマミズナ科植物の根に寄生し、寄生根から栄養分を吸収し、成長する無葉緑素寄生植物である。草丈は 35~65㎝ 程度となる。茎は分枝せず、色は赤紫色、全体的に軟腺毛に覆われる。葉は長さ 2~3㎝、幅 6から8㎜ 程度の鱗片状で茎を抱く。4~6月頃、黄白色で、外側に桃紫色のストライプや斑点の入る唇形の花をつける。種子(1~1,2㎝程度の楕円形)は宿主の根の近くでないと発芽しない。発芽できなかった種子は地中で長期間生き延びて発芽の機会を待つという。本種は、我が国でも帰化植物として定着し、我が国の外来生物法で栽培植物に影響を与えることから「要注意外来生物」に指定されているヤセウツボ(Orobanche minor)と同属の植物である。(GKZ植物事典より)