takubonpapa blog

 日常の出来事や感じたこと、Mac、バイク、キャンプ、さだまさし等について書いてます。

ときにはソーシャルな仕事も2

2010-02-18 00:25:32 | 学校事務
 1月のことだったか4月から入学してくる保護者の方から学校に電話がありました。教頭が対応してあとから聞いた話によると、失業して収入がないから入学を1年先延ばしして欲しいという内容だったようです。昨年以来の不況で貧困が問題になっていることは承知していたつもりでしたが改めて肌で感じた次第です。

 この保護者や子どもに対して学校事務職員として何ができるか考えていました。教育委員会の担当者が家庭訪問をしたと教頭から聞いたので、それなら大丈夫かと思いましたが一応情報を入れておいた方がいいと思い確認してみました。そしたら家庭訪問はしたが父親には会えなかったとのことで、新入学説明会の時に来校するだろうからその時に会って話を聞いてみようと考えていました。

 それで新入学説明会の時に受付のところにオレもならんでその保護者を待って会場まで案内するついでに話を聞いてみました。就学援助のことはもちろん生活保護についても言及したところ、民生委員さんは関わっていないようでケースワーカーに相談して生活保護申請をしたが認定にならなかったとのこと。時間がなかったのでもっと詳しく話を聞きたいから帰りに事務室に寄ってもらうことにしました。

 終了後事務室に寄ってくれて詳しく話を聞くことができました。話によると失業して仕事が見つからず雇用保険の支給も終わり、生活保護申請ははねられ、今日明日食べることだけで精一杯の状況なのだそうです。生活保護をはねられた理由までは聞きませんでしたが、事情はいろいろあるのだろうと思いました。子どもの入学にあたって今日の物品販売でも細かい物は購入できたが鍵盤ハーモニカと画材セットは高額なので購入できなかったそうです。ランドセルもまだ買っていないが1万円くらいの物があれば買ってあげたいとのことでしたが、運動着はなくても平気だろうかと聞かれました。鍵盤ハーモニカと画材セットは6月から使う物だからすぐには必要ないことを話して、ランドセルは代用できる物があればかまわないでしょうが、みんなと違うことを子どもがどう思うかということや、運動着は体育の時間や運動会の時に持っていないとかわいそうであることを話しました。

 取りあえず就学援助申請をしてもらうことにしましたが、1回目の支給が7月なのでそれまでどうするかということになり、事前に県のホームページで生活福祉資金貸付制度の案内をダウンロードしておいたので、返さなければならないお金だけれど当座のしのぎにはなるかなと思って紹介して社会福祉協議会へ行くことを勧めました。
 後日、就学援助申請書と添付書類を持って再度来校したので生活福祉資金貸付制度のことを聞いたら窓口の段階で却下されたとのこと。行政の方も返せる当てのない借金はさせないということなのでしょうか。子どものしあわせを考えるとどうにかしてあげたいと思いますが方策が見つかりません。

 今考えているのは学校かPTAとして保護者から、家庭で不要になったランドセル・運動着・画材セット・鍵盤ハーモニカ・習字セットなどの寄付を募って空き教室に集めてリサイクルルームを立ち上げることはできないかと考えています。それができれば貧困家庭はもちろん、忘れてきた子どもが利用することも可能だろうし、数が揃えば保護者が買う必要がなくなると思っています。ただし思うように集まらなかったり、希望者が殺到したら面倒なことになるという思いもあります。
 しかし以前は親戚や隣近所で譲り合う関係が地域コミュニティーとして成立していたのでしょうが、そういう関係を築きにくい現代は公の機関が意図的に機会や場を設定しないと成り立たないという面があるのかも知れません。それでも地方では未だそういう関係が残っているとは思いますが、貧困に陥るということは親戚や近所のつてがなく、失業して会社という唯一の社会との接点が失われた状態だろうから公の機関がバックアップする必要があるのだろうと思います。とりあえず校長に相談してみっか。
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