昨日ガソリンを入れ終わった頃に火災発生の連絡が入った。なんで原発で混乱しているこんな時に、しかも地元だというから少々動揺した。慌てて自宅へ戻り防寒対策をして火事場へ向った。火事場についたらすごい白煙でマスクなしではとても近づけないほどだった。まっすぐは行けそうにないので迂回して水元へ向かった。防火水槽のところに地元の仲間がいて合流した。
全体の状況がつかめずテンションがあがっているところに、様々な問題がオレのところに集まってきて少々混乱した。以前は自分で仕事を見つけて上の人の指示で動くだけだったが、何をしたらいいのか聞かれ指示する立場に立たされていることを実感した。
とりあえずは防火用水への補給と、ポンプの送水維持が課題だった。防火水槽からはウチの小型ポンプから2線と消防署のポンプから1線使っているようで、防火用水の水位が下がっていたから補給が重要な任務だった。しかし補給については他の分団や別の部がサポートしてくれることになったのでそちらはまかせることにした。
その後、放水中の最前線へ行き状況を確認したら消防団の放水よりも、消防署の放水の方が最優先させなければならないと思った。1線は放水を中止しウチの小型ポンプからは1線だけの放水にした。しばらくして防火水槽の補給が完了したころには、ほぼ終息した。その頃には部長も副分団長も到着していてオレが指示を出す必要がなくなっていた。
今回の現場では全体の配置や水の流れをいち早く把握して、何が課題かを即座に判断し、団員の安全対策を考えながら配置し、指示することの重要性を思い知らされた。現場の前線に立たされることなど地元での火災の時くらいで、そう頻繁にあることでもないし、あってはならないのだがいろいろ考えさせられた。
今回の反省点
・防火水槽への補給水の確保について
今回使ったの防火水槽は堀から給水できる場所であったことがあとからわかった。近くの川をせき止めて水門を開ければ堀に水が流れてくるので防火用水のところに土嚢を置けば防火水槽に補給できたのだ。すべてあとから地元のOBに聞いて分かったのだが、火事場では地元の水利を把握している人に聞くのが一番だと思った。そして火事になったらどこの水利を使うかという想定のほかにどこから補給するかも想定しておく必要があると思った。
・堰板の置き場所について
川をせき止めて給水していたのだけれど、せき止めるための堰板がどこにあるのかを把握しておく必要があると思った。今回の場合は近くの橋の下に堰板を乗せる金属の棚があってそこから持ってきてせき止めることがわかった。
・送水の維持について
防火水槽の水が少なくなってくると底にたまってる泥を吸ってしまって、水を送ることができなくなることはいつもの課題である。限られた水を有効に使うためにどこに優先的に水を送るかの判断は消防署で考えればいいことだけれど、ムダにしないように有効に使うためにどうするかを考える必要があると思った。それから今回初めて経験したのだけれど、水が送られていないのにエンジンの回転数が上がりだしてスロットルを戻しても暴走したままになった。おそらく給管に泥がつまったせいか、いわゆるキャビーテーションというやつで防火水槽への補給をする時に水流ができて泡になるからその泡を吸ったために給管にエアーがたまったのではないかと考えている。泥とエアーを吸わないための給管投入ポイントを考えなければならないのだろう。
・トランシーバーによる混乱
分団内の3つの部でトランシーバーを持っていて全て同じチャンネルで使っているのだけれど、全体の配置状況が分からないまま交信していると情報が錯綜するので、今回のように分団長や副分団長という全体の統括者が不在の状況では混乱するだけであることがわかった。今回の場合はウチの部だけチャンネルを変更するとか、それが分かるような交信方法で、水元と前線の間でのみ交信するという基本に忠実であるべきだった。
物置2棟と住居への一部延焼という、このあたりでは近年にない大きな火災になってしまったが、ケガ人が出なかったのが不幸中の幸いである。寒い夜で一次は吹雪になったが雨でなくてよかった。なにしろ放射性物質を含んでいるからな。
今日は現場の片付けと消防・警察の現場検証のサポートのために動員されたが、雪が積もって寒い中ボーッと見守るか交通整理をするくらいでほとんど役に立っていなかった。こういう見通しを持てず無駄な時間が多いのが辛いんだよね。
火災はちょっとした不注意が財産も命も何もかも奪いさり無惨な焼け跡だけが残る。オレ自身への自戒を込めてなのだが、燃料不足の状況でもあり、だからこそ燃料を移し替えたりという作業をする機会も多いだろうけれど、どうか細心の注意をし火災を出さないようにしていただきたい。
原発関連ブックマーク
石原都知事が選挙パフォーマンスのために来県したらしい。そして「天罰」発言の言い訳をしたとか。どうせパフォーマンスなら福島県産の野菜をボリボリ食って、牛乳をゴクゴク飲んでほしかった。そしてこのような状況にあってもなお、しかも福島まで来て自ら「私は原発推進論者です。」と言うとはどこまで無神経で傲慢な人なのだろう。そこまで原発が大事なら東京湾に原発を作るという公約を掲げるべきではないのか。
石原都知事来県 農作物流通に「努力」
2011年03月26日(asahi.com)
東京都の石原慎太郎知事は25日、県災害対策本部を訪れ、佐藤雄平知事と会談した。基準値を超す放射性物質が検出され、出荷停止指示が出た県産などの農作物について石原知事は「対象になりえない地域の農産物まで取り込まれていると思う。農協の責任で被害のない地域の農産物を認識して出荷、東京は流通にかける努力をする」と提案した。
都は臨時の出先を県災害対策本部に置き、都職員3人を常駐させた。物資や医療支援などのニーズを都につなぎ、復興支援に取り組むという。
会談後、石原知事は東日本大震災をめぐる天罰発言について、報道陣から福島県民に罪があったのかと問われ、「ありません。日本全体の責任だと思います」と答えた。原発政策については「私は原発推進論者です。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかないと思う」と述べた。
全体の状況がつかめずテンションがあがっているところに、様々な問題がオレのところに集まってきて少々混乱した。以前は自分で仕事を見つけて上の人の指示で動くだけだったが、何をしたらいいのか聞かれ指示する立場に立たされていることを実感した。
とりあえずは防火用水への補給と、ポンプの送水維持が課題だった。防火水槽からはウチの小型ポンプから2線と消防署のポンプから1線使っているようで、防火用水の水位が下がっていたから補給が重要な任務だった。しかし補給については他の分団や別の部がサポートしてくれることになったのでそちらはまかせることにした。
その後、放水中の最前線へ行き状況を確認したら消防団の放水よりも、消防署の放水の方が最優先させなければならないと思った。1線は放水を中止しウチの小型ポンプからは1線だけの放水にした。しばらくして防火水槽の補給が完了したころには、ほぼ終息した。その頃には部長も副分団長も到着していてオレが指示を出す必要がなくなっていた。
今回の現場では全体の配置や水の流れをいち早く把握して、何が課題かを即座に判断し、団員の安全対策を考えながら配置し、指示することの重要性を思い知らされた。現場の前線に立たされることなど地元での火災の時くらいで、そう頻繁にあることでもないし、あってはならないのだがいろいろ考えさせられた。
今回の反省点
・防火水槽への補給水の確保について
今回使ったの防火水槽は堀から給水できる場所であったことがあとからわかった。近くの川をせき止めて水門を開ければ堀に水が流れてくるので防火用水のところに土嚢を置けば防火水槽に補給できたのだ。すべてあとから地元のOBに聞いて分かったのだが、火事場では地元の水利を把握している人に聞くのが一番だと思った。そして火事になったらどこの水利を使うかという想定のほかにどこから補給するかも想定しておく必要があると思った。
・堰板の置き場所について
川をせき止めて給水していたのだけれど、せき止めるための堰板がどこにあるのかを把握しておく必要があると思った。今回の場合は近くの橋の下に堰板を乗せる金属の棚があってそこから持ってきてせき止めることがわかった。
・送水の維持について
防火水槽の水が少なくなってくると底にたまってる泥を吸ってしまって、水を送ることができなくなることはいつもの課題である。限られた水を有効に使うためにどこに優先的に水を送るかの判断は消防署で考えればいいことだけれど、ムダにしないように有効に使うためにどうするかを考える必要があると思った。それから今回初めて経験したのだけれど、水が送られていないのにエンジンの回転数が上がりだしてスロットルを戻しても暴走したままになった。おそらく給管に泥がつまったせいか、いわゆるキャビーテーションというやつで防火水槽への補給をする時に水流ができて泡になるからその泡を吸ったために給管にエアーがたまったのではないかと考えている。泥とエアーを吸わないための給管投入ポイントを考えなければならないのだろう。
・トランシーバーによる混乱
分団内の3つの部でトランシーバーを持っていて全て同じチャンネルで使っているのだけれど、全体の配置状況が分からないまま交信していると情報が錯綜するので、今回のように分団長や副分団長という全体の統括者が不在の状況では混乱するだけであることがわかった。今回の場合はウチの部だけチャンネルを変更するとか、それが分かるような交信方法で、水元と前線の間でのみ交信するという基本に忠実であるべきだった。
物置2棟と住居への一部延焼という、このあたりでは近年にない大きな火災になってしまったが、ケガ人が出なかったのが不幸中の幸いである。寒い夜で一次は吹雪になったが雨でなくてよかった。なにしろ放射性物質を含んでいるからな。
今日は現場の片付けと消防・警察の現場検証のサポートのために動員されたが、雪が積もって寒い中ボーッと見守るか交通整理をするくらいでほとんど役に立っていなかった。こういう見通しを持てず無駄な時間が多いのが辛いんだよね。
火災はちょっとした不注意が財産も命も何もかも奪いさり無惨な焼け跡だけが残る。オレ自身への自戒を込めてなのだが、燃料不足の状況でもあり、だからこそ燃料を移し替えたりという作業をする機会も多いだろうけれど、どうか細心の注意をし火災を出さないようにしていただきたい。
原発関連ブックマーク
石原都知事が選挙パフォーマンスのために来県したらしい。そして「天罰」発言の言い訳をしたとか。どうせパフォーマンスなら福島県産の野菜をボリボリ食って、牛乳をゴクゴク飲んでほしかった。そしてこのような状況にあってもなお、しかも福島まで来て自ら「私は原発推進論者です。」と言うとはどこまで無神経で傲慢な人なのだろう。そこまで原発が大事なら東京湾に原発を作るという公約を掲げるべきではないのか。
石原都知事来県 農作物流通に「努力」
2011年03月26日(asahi.com)
東京都の石原慎太郎知事は25日、県災害対策本部を訪れ、佐藤雄平知事と会談した。基準値を超す放射性物質が検出され、出荷停止指示が出た県産などの農作物について石原知事は「対象になりえない地域の農産物まで取り込まれていると思う。農協の責任で被害のない地域の農産物を認識して出荷、東京は流通にかける努力をする」と提案した。
都は臨時の出先を県災害対策本部に置き、都職員3人を常駐させた。物資や医療支援などのニーズを都につなぎ、復興支援に取り組むという。
会談後、石原知事は東日本大震災をめぐる天罰発言について、報道陣から福島県民に罪があったのかと問われ、「ありません。日本全体の責任だと思います」と答えた。原発政策については「私は原発推進論者です。日本のような資源のない国で原発を欠かしてしまったら経済は立っていかないと思う」と述べた。
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