takubonpapa blog

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伝統文化

2011-11-03 17:06:23 | 社会
 先日、息子の担任の先生から自宅に電話がかかってきた。一瞬「何かやらかしたか」と構えたが、用件は学年で勉強している「ムラに残したいもの」というテーマで神楽のことを聞きたいということだった。オレが知る範囲で答えたが、改めて伝統文化というものについて考えたので自分の考えを整理しておくことにする。

 ムラには各集落(洞)に神社があって神楽があり年に数回の祭りの時に獅子舞を奉納している。ムラの尊社の祭りでは毎年春の例大祭で八つの洞からそれぞれ獅子舞を奉納するのが習わしになっている。ここ数年は維持できない洞があって八つのうちの五つの洞が奉納していた。獅子舞を奉納できない洞は獅子だけを神楽殿にあげて披露だけしていた。
 実はウチの洞も後継者不足から一昨年神楽保存会を解散した。保存会がなくなったので獅子舞は有志でメンバーが集まれば奉納するという位置づけになった。しかし実質はメンバー(獅子かぶり、太鼓、笛、三味線、鐘)が集まらなければできないので実質なくなったようなものだ。寂しくもったいないような気もするが、これだけ生活が多様化して仕事が忙しい中で神事を維持して行くことは容易でないのだ。さらに過疎のムラでは人材不足で、今やっているオレらがいったいこの先何年続けなくちゃならないのかという先の見えない不安に襲われるのも事実なのだ。そんなことを担任の先生に話した。

 保守派が賛美する「伝統文化」とは聞こえは良いが、実際それを維持して行くことはかなりの困難が伴う。過疎のムラでは伝統文化どころか地域を守り維持して行くことだって大変で、いずれ限界集落になることだって考えられる。ムラで生活できるだけの就労や条件を放置したまま地域とか伝統文化を守れとか言われても虚しいだけなのだ。地域とか伝統文化を賛美する政治家や文化人や子どもに教える教員で、実際にそれらを担っている人がどれだけいるだろうか。自分たちは地域も文化も関係ない都会で楽な暮らしをして、ギリギリのところで生活している田舎にそれを求めるのはあまりにも酷ではないか。はっきり言って格好だけの薄っぺらな奴らに何が分かるかと言いたい。伝統文化や地域を賛美する人たちは自ら生活してみたらいかがか。現実はきれい事だけでないドロドロした部分もあり、言わば幻想に近いことに気づくだろう。地域や伝統文化を維持して行くということはそれほど大変なのだ。
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1 コメント

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Unknown (ふぁいあ)
2011-11-09 22:44:12
同感だね。うちのほうにも獅子舞があるけど、環境を変えて維持していく方向性を考えないと。
いつまでも年輩者の言う昔ながらを守っていくやり方は反対です。
本来祭りは楽しい行事なんだから。
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