
カッちゃんと牧カオリの高校生活最後の年の出来事。
カッちゃんが牧カオリと偶然に会った時、
二人とも、
気分は、
ブルーやった。
理由は、
世の中があまりにも凡庸過ぎるということで、
盆用提灯のように、
ある期間を特別に照らし、
時が終われば灯火は消えるさまを、
人生やと言い合った。
特に、
牧カオリは、
「それにね、人の一生は霧がかってるからこそ、照らされないと、意味をなさないの。人生は霧に覆われてるのよ」と言うと、
カッちゃんは、
「牧さんは奥が深いね」と感心した。
そのとき、
牧カオリの足元に、
靄がかかったので、
牧カオリは、
「人は歩くことさえ霧がかって隠されるのよ」と悲しく言うと、
カッちゃんは前方指して、
「牧さん。霧がかって隠される前に、これ、向こうで道に落ちた大量のドライアイスだよ」と教えたので、
牧カオリが前方見つめると、
業者らがドライアイスを片付けながら、
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と詫びていた。
牧カオリは、
「人生は見えない霧に覆われているのよ」と言ったので、
カッちゃんは、
「霧が見えなくてどうして霧だとわかるの?」と尋ねた。
牧カオリは、
「きりきりまいな人生だからこそ霧がかっても見えないのよ」と言って、
カッちゃんの反論を待たずに、
歩き去った。
カッちゃんは、
いまだに、
平凡に終わる人生ってナンだろうか🤔と考えていると、
立ち込めたドライアイスの靄から、
視点の定まらないジジイが現れた。
ジジイはカッちゃんを見ると驚き🫢
「来るべき者よ」と呟いた。
カッちゃんは😦とした表情を浮かべると、
ジジイは、
「来るべき者!今こそシンの力を!」と言って、
跪いた。
カッちゃんがナンのことかと尋ねると、
ジジイは、
「ロッコンバッコンにてございます」と言った。
ここで、
ジジイの言い分を要約すると、
ロッコン(六根)は、
眼・耳・鼻・舌・身・意の人の六つの感覚のことで、
バッコン(抜根)は、
これらの六つの感覚(六根)を抜き去ることらしい。
人としての感覚を抜いた時に、
超人としてのヒーローである『来るべき者』の正体が現れると言う。
『来るべき者』として目覚めたなら、
空を飛び、
時間を止めて、
火と水と空気を自由に操ることができるとも言った。
カッちゃんが怪訝🤔そうにしてたら、
ジジイは、
「ロッコン、バッコン❗️ロッコン、バッコン❗️ロッコン、バッコン❗️」と3度唱えれば、
それらの特殊能力が現れると力説した。
と、
そこに、
白い服を着た数人の人々が、
ドライアイスの靄の中から現れ、
ジジイを捕えようとした。
ジジイは抵抗しながらカッちゃんに、
「荒らすべき者たちが現れた!来るべき者よ!荒らすべき者たちに捕まる前に、空を飛んで逃げよ!」と叫んだので、
カッちゃんは、
近くの橋に走って行き、
橋の欄干に登り、
「ロッコン、バッコン❗️ロッコン、バッコン❗️ロッコン、バッコン❗️」と三度唱えて、
欄干からジャンプした。
が、
何事もなく、
そのまま川に落下した。
多くのざわめきの中、
「橋の欄干で何があったんだ⁉️」との声が飛び交う中、
あ然として口を開けたままの女子小学生が、
一冊の雑誌を、
ざわめく人々の前に掲げた。
その雑誌は、
『少年ジャンプ』やった。
しばらく無言やった人たちは、
『少年ジャンプ』の意味に気づき、
「大変や!子供が欄干から川に飛び込んだ!」と大騒ぎになった!
すぐに、
カッちゃんの救助が行われた。
しばらくして救助されたカッちゃんは、
軽い打撲程度で済んだ。
警察官に怒鳴られたカッちゃんのそばに、
牧カオリが来て、
「この今の世界があなたに告げることは、あのジジイは、ボケてるということよ。認知症専門老人施設に暮らしているわ」と、
告げた。
ある意味、
カッちゃんは、
特別やったかもしれん🤔🤔🤔