☆プロローグ
その日のとある会議室に、
多くの人々が席に着き、
討論に次ぐ討論がなされた。
その中に、
二十歳になったばかりのナカムラという女がいた。
ナカムラは、
科学的思慮に富んだ女で、
徹底的に、
研究の日々を過ごしていた。
討論の内容は、
とある土地開発業者が、
得体の知れないモノのせいで難航している、
指定地の調査打ち切りについてのものやった。
そこで、
コトの決着を付けようと、
ここに、
全関係者が集まった。
まず、
業者が目を付けていた未開発の森林地帯に、
シャキというUMA(ユーマ。未確認生物のこと)がいて、
このシャキが、
そこに足を踏み入れた者を襲撃するという一件で、
開発は、
ずっと頓挫していたという。
シャキ(射鬼)という言葉は、
瞬間的に現れ鬼のような形相をしていることから、
呼ばれるようになったという。
ここに、
ナカムラを交えての、
シャキ(射鬼)論が展開される。
生物学者の男はこう言った。
「そもそもシャキなどいるはずの無いモノ。人が襲われたという事実があるのかね?」
ブザー音が鳴る。
地質学者の男は不快な表情で、
「地質調査した際、私はこの目で見たんですから!」と反論。
ブザー音が鳴る。
心理学者の男が、
「あなたの心に浮かぶはずのモノが、現実に見えたんでは----?」
ブザー音が鳴る。
ここでナカムラが発言した。
「シャキの事実が第一なんですよ。事実が立証されないのなら、この調査は終わりでしょう⁉️」。
ブザー音が鳴る。
地質学者の男はキレて、
「私の他にウマイも見たんだ!それを事実が立証されないからと、嘘つき呼ばわりかね!」と声を荒げる。
ブザー音が鳴る。
ナカムラは、
「事実が立証されなければ、嘘も真実もございません」とツンとして言い返した。
ブザー音が鳴る。
そこに、
頭にユニコーン🦄の被り物をした男が外から室内に入って来た。
そしてナカムラに、
「私は先程、トイレに行った時、手を洗おうと鏡を見たらユニコーン🦄の頭が写っていたんだ。事実の立証なんか無意味だよ」と言う。
ブザー音が鳴る。
ナカムラはユニコーン🦄の被り物男に、
「ウマイさん。その鏡に写ったのは、あなたが被ってる物じゃないんですか?」と反論した。
ブザー音が鳴る。
ウマイはキレて、
「こ生意気な😡お前にユニコーン🦄のナニがわかるっていうんだ‼️」とガナった!
ブザー音が鳴る。
生物学者が、
遺伝子学者のイトウのラストメッセージの録画を見ていただきたいと言って来た。
スクリーンが用意され、
怯えて涙ぐんだ初老の男が写り、
話し出した。
「私は遺伝子学者としてシャキを調べた。事実の鍵は確信だという自論が私を、真夜中のあの地に歩を進ませた。そして、見てしまった。あの恐ろしい生き物を!私は失禁して、泣きわめき、おかあさん、おかあさんと叫んだ!私の男としてのプライドはここに息絶えた。だからこのメッセージは男としての私のラストメッセージだ。それにしても恐ろしいシャキ!」
映像が消えてブザー音が鳴る。
ナカムラは生物学者に、
「イトウさんのその後は----?」と問うと、
生物学者は、
「性転換手術が成功して、今ではスナックのママとしての立場にある」と答えた。
ナカムラは考えた。
現実的でないモノに、
人生が狂わされる意味は----
☆それから5年が経って
その後ナカムラは、
いろいろと考え過ぎて、
体を壊し、
長期入院していた。
そして大学に復学した時は、
25歳の大学3年生やった。
ナカムラは気分転換に、
チアリーディング部に入り、
チアリーダーのしのぶと会った。
ナカムラはチア部に溶け込み、
熱心に活動した。
そんなある日、
しのぶから、
オリエンテーリングして、
心身を鍛え、
酒を隠し飲みしようと提案されて、
とある森林地帯に行くことを決定した。
ナカムラは、
その地こそ、
あのシャキの生息地であることを思い出し、
しのぶに、
「あそこには近づかないでください!」と必死にお願いした。
しのぶは、
「馬鹿野郎‼️」と怒鳴って、
ナカムラの頬をビンタした!
思わず頬を押さえるナカムラに、
しのぶは、
「オンナはな、一度決断したら後には戻れないんだ!」と荒々しく言って、
立ち去った。
ナカムラはひとり、
ナニも起きなければいいんやけどと、
ずっと思い込んだ。
ケイジロウ、レフティ、
今夜はここまで。
続きは明日書き込む。
イイね数や訪問者数が低くても、
この記事の続きやさかい。
ズバリ、
明日に続く----
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