前日記事の続き
☆さまざまな思いの中で-----
ナカムラは、
過去の、
シャキについての大討論の記憶をたどりながら、
チア部にチャーターされたバスの中で、
目的地へと向かっていた。
シャキがいるであろう森林地帯の近くに、
大胆不敵にも、
旅館が立ち、
チア部はそこに向かっている。
バスの中の部員たちは、
酒を飲み食らい、
卑猥なジョークに盛り上がっていた。
☆その旅館は----😦
旅館に上がり込むと、
女将が挨拶に来た。
その女将を見たナカムラは、
とても驚いた!
それは、
男のプライドを傷付けたとかいう理由で、
去勢して女になった、
遺伝子学者のイトウやった。
ナカムラはイトウに、
「ご無沙汰いたしております」と挨拶した。
そこに、
ナカムラと同じ歳の中居が数人入って来た。
中居の一人がしのぶに、
「和室と洋室とどちらになさいますか?」と問うたので、
しのぶは、
「洋室や」と答えた。
中居は、
「それは出来ません」と言うので、
しのぶは、
「ナンデや?」と答えた。
中居は、
「当旅館には、洋室はございません」と言い返した。
しのぶは、
「あろうがなかろうが洋室言うたら洋室や!今すぐに増設すればエエやないか!!」と食ってかかった!
そこにイトウが仲裁に入り、
「お許しくださいませ。この娘はシャキを見て、大きなショックを受けております」と説明した。
☆シャキ(射鬼)とは----❓
イトウは説明した。
「大昔。まだ人類がいなかった頃、夜の闇に戯れた小悪魔どもです。人類の登場で彼らは隠れました。彼らを追い払った物は火🔥です」
しのぶはよくよく話しを聴きながら、
「それで釜女将、もしあたしらがシャキを捕まえれば、それなりのモノが懐に入ると言うことにござりませんの?」と、
問うた。
イトウは軽く微笑んで、
「おっしゃる通りです。けど、相手はヒグマでさえ手にかけるシャキ。とても捕縛など不可能なこと」と言う。
部員たちの表情が強張った。
ツルミがしのぶに、
「先輩。シャキ捕まえるのはやめて部屋でオトコポルノ見ましょう」と言った。
しのぶはツルミに、
「シャキを捕まえたら、毎晩モノホンのイケメン抱けるのよ!」と言い返した。
ナカムラがイトウに問うた。
「もし、シャキに襲われそうになったら、どうすればよいんですか?」
イトウは、
「命に代わる大切な物を捧げること。まあ、お金ですね。有り金全てを地に置けば、供物の概念が波動としてシャキに伝わり助かることでしょう」
ナカムラは、
「じゃああたしたちのこれからは、金を得るか取られるかの戦いになりますね」と言い、
チア部の部員たちと、
それぞれの部屋へと帰った。
☆森に入った----
深夜の森。
頭にしめ縄を巻き、
胸に十字架下げたチア部の部員たちが、
ロープを手にして、
シャキの捕縛の為に、
歩き回った。
その時、
野鳥の鳴き声のような、
「シャキ!シャキ!シャキ!」という声が夜のしじまに響き渡った。
部員たちはパニくって、
「シャキだわ❗️シャキだわ❗️」と大声出した!
しのぶは部員たちに厳しく、
「慌てるな‼️お前ら胸に山付けとんやろが‼️情けないぜ❗️」と吐き捨てた!
そしてしのぶが先頭に行くと、
先の「シャキ!シャキ!シャキ!」という鳴き声とともに、
毛むくじゃらのモノが現れた。
部員たちは大声で、
「有り金を供物にするのよ!そうすれば助かるわ!」と叫び合った!
毛むくじゃらのモノはしのぶに吠えた!
しのぶは落ち着いて、
テキーラ(😱)の入った小瓶を取り、
口に入れ、
ライターを出して口に近づけ、
口からテキーラを噴霧させることで火を毛むくじゃらに吐いた🙀‼️
なぜか女性の叫び声を上げて、
毛むくじゃらのモノは逃げた。
しのぶは、
「かねめの物を手にすることはなかったが、立派なオリエンテーリングだったやないか!」と、
ひとりで感動した🥺
翌日、
旅館を引き上げる時に、
中居の一人が、
天ぷら揚げていた時に、
つまずいて、
天ぷら油の中に顔を入れてしまった事故のことを聞かされた。
そんな中居のその後は、
整形手術して包帯取れたら、
顔が、
竹中直人似になってしまったことを、
後々知らされることになる。
☆エピローグ
あのオリエンテーリングでの出来事からだいぶ経って、
ナカムラは、
記憶を頼りに、
あの、
シャキを論じ合った会議室へと入った。
無人に佇む室内を見回すナカムラは、
すぐにでも、
勢いよく討論の声声が聞こえるかのようやった。
そこに、
年配の女性が入って来て、
「ナカムラさん?」と懐かしそうに呼び掛けた。
ナカムラは、
最初は、
この女性の記憶が無かったが、
白衣を纏った姿として思い出した。
女性は、
「ここは、精神科が借りてたデイケアルームだったの。たくさんの患者さんたちがロールプレイング治療で、ここは盛り上がってたわね」と言う。
ナカムラも思い出した。
当時は、
不登校から精神に疾患をきたらせていたことを。
女性は続けた。
「馬鹿なことばかり言ってたと思うことでしょうね。でもね、馬鹿なことでもなんでも意味があるのよ。悲しかったり、喜んだり、悩んだり----どこに意味があるのかと問い続けてもね」
ナカムラは、
「ロールプレイングの治療で、自分を自覚出来ました。その思い出が私を強くしたんです」と答える。
女性は言った。
「いずれ、本当の意味があなたとともに付いて行くわ。炎があなたに従うように、なにもかもあなたは物事を克服するでしょう」
ナカムラは思った。
あの思い出の数々こそ、
炎なんだと。
Fire Walk With Me❗️
炎よ、我とともに歩め❗️
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