先代のシャム猫 「チョロ」
先代のチョロはとても頭の良いネコでした。
人間の言葉も理解しているのではないかと思うほど不思議なネコでした。
ある日、女房と義母が口喧嘩を始めたのですが、そのときやおらチョロは女房の方に駆け寄り、
足のズボンの先にかみついて、引っ張ったのです。
それはあたかも「もういいかげんにしなさい!」とケンカを止めに入ったような出来事でした。
女房も義母もそれを見て、驚き、ケンカを止めてしまいました。
それぞれの内心は聞いたわけではないのでわかりませんが、女房は、足のズボンの先をかみつかれて気勢がそがれ、
驚いたと同時に、怒りの矛先を収めたようです。
義母は、自分にチョロが味方してくれたと思ったのでしょうか、やはり驚いて、黙ってしまいました。
その様子を見ていた私もびっくりして、唖然として見ていました。
まさに親子げんかの仲裁に入り、声の大きかった方の女房に、止めなさいというメッセージを送ったのです。
ネコが人間の親子げんかの仲裁をするとは・・・こんな事もあるのですね。
今はいないチョロを思い出すとき、この事件が忘れられません。
このケンカ、ネコにとっては、どちらが悪いかとかは分からないでしょうが、
こうすれば、ケンカを止めるだろうと予想して行動を起こしたとしか思えませんでした。
ネコは本当に不思議です。