( 仔猫のときから住み込みのちゃーちゃん)
大佛次郎の「猫のいる日々」の中にあった話ですが、
ネコ好きの彼の家には15匹のネコが飼われていたそうです。
奥さんが影響を受けてネコ好きになり、つぎつぎ猫を拾ってきたためです。
戦後の食糧事情の悪いときなので、これ以上ネコを増やすことはまかり成らんと宣言し、
これ以上1匹たりとも増えたら、俺はネコにこの家を譲って別居するとも宣言しました。
さすがに、この宣言は効果があり、15匹以上には増えませんでした。
ところがある日、見慣れないネコが勝手口にいて、問いただしたところ、
あれは「通い」でうちにエサをもらいに来るだけで「住み込み」ではありませんということで、
それなら仕方ないということになったのですが・・・
その後、しばらく通いのネコがこない日が続いたのですが、なんと秋の終わりに、仔猫を1匹連れて勝手口に現れた。
あまりに仔猫がかわいそうなので、飼うことになった。これを通いから住み込みに昇進したと面白がっていました。
しかし、17匹は大変ですね。
昔は不妊、去勢手術などあまり普及していませんでしたから、仔猫が生まれてしまったら捨てに行くしかなかった時代です。
当時、鞍馬天狗、赤穂浪士、などで人気作家だったおかげで、こんなにたくさんのネコをかえたのでしょうか。
猫ずきであることは天下にしられ、作家の家のそばにネコを捨てに来る人も多かったみたいです。
この本にはネコにまつわる面白い話がたくさん載っています。「ノラや」より面白いですよ。
私の愛読書です。