暑さに弱いイヌ 特にブルドッグはご用心 生き物がたりより
今年の夏は猛烈に暑い。人も暑ければ、ペットの犬も暑い。犬は体高が低いので、太陽が出ている間に散歩すると、地熱をまともにくらい、熱中症を起こす危険性が高い。人はどんなに暑くても、呼吸をする位置が鼻や口の高さであることで、まだ救われている。

ブルドック
犬には暑さと戦う上で、もう一つ不利な点がある。汗をかけないことだ。汗腺には2つのタイプがある。人のわきの下などに分布し、濃くて臭いのある汗を分泌する「アポクリン汗腺」と、体温を下げるためのさらさらした汗を分泌する「エクリン汗腺」である。犬は後者が発達していないので、足の裏(パッド)などを除いて、汗をかいて体温を低下させることが生理的にできない。
このため、犬は外気温が高い時、地面に穴を掘って熱から逃れ、室内では板の間や玄関タイルなどの床にべったり体を密着させて熱を逃がしている。犬の世話をしたことがある人ならば誰でも知っていることだが、暑い時や走った後などに口から舌を大きく出し、ハアハア小刻みに激しく呼吸をすることで熱を放散する「パンティング(あえぎ呼吸)」は発汗の機能に代わる犬独特の体温低下のための生理的行動といえる。
以上は、犬全般の問題だが、ここに暑さに極端に弱い品種が存在する。ブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種である。人類にとって犬は、つき合いが2万年に及ぶ最古の家畜である。体重1kgのチワワから100kgのセントバーナードまで、そして、ボルゾイのような極端に鼻の長い長頭種から眼と鼻先の位置がほとんど変わらないブルドッグまで、人が選択交配させた結果として多様な品種が存在するが、これら犬の先祖種はオオカミだ。オオカミの頭部の特徴は柴犬(しばいぬ)などを思い浮かべれば良く、鼻筋がすっきり通っている。〒192-0355 東京都八王子市堀之内 2-6-1
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