Truth Diary

外面如菩薩

 北朝鮮国営テレビでお馴染みのご年配婦人アナウンサーもびっくりの毒舌、にこやかな笑顔で登場するや米国や我が国の非難を時代がかったハイテンションの毒舌ぶりで伝えた女子に勝るとも劣らない、毒舌を平然と述べる若い女性、それは金正恩(キムジョンウン)委員長の妹、金与正(キムヨジュン)副委員長だ。

 竹久夢二の描く憂いを含んだ細面の風貌に似あわず、外面如菩薩内面如夜叉(がいめんにょぼさつ ないめんにょやしゃ)とはこの事か、隣国、韓国へのあらん限りの罵倒を繰り返した毒舌は、いったい彼女の何処からが出てくるのか不思議だった。
 驚いたのは考えられる限りの敵意むき出しの悪口雑言を専門に作成する、悪口集団の存在である。選ばれたメンバーは最高学府を出た超エリートたちだとか、上からの命令で語彙の限りを尽くして攻撃、恫喝の文言を練り、メデイアを通じて、さも当人の発言のように流し、おまけに言葉だけでないとダメ押しの共同事務所爆破の公開など手が混んでいる。
 ここまで狡猾な神経戦略が巧みな国家は世界広しと言えどもあるまい。
 生まれてから任官までずっと優等生で、ちやほやされてきたエリート官僚には柔軟な発想が乏しく暴れん坊に対する処し方も浮ばないだろう、脅しにびくびつかない度量の大きい人がいないからだ、拉致被害者救出が進まないのもちっぽけな根性を見抜かれているせいだと思う。
 暴れん坊に優等生では太刀打ちできないのは定理。その演技は兄共々たいした名優である。

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