昨日近くにある宮城大学で落語家、柳家花緑の講演と落語があり聴いてきた。師匠は5代目柳家小さんの孫にあたるという。
戦後最年少の22歳で異例の真打昇進をした事でも知られている。講演で彼は自分は発達障害のひとつADHD(注意欠陥多動性障害)であったと披露し、落ち着きがなく緊張すると字が思い出せない、書けない学習生涯も重なり学校の成績は全くダメだった。
しかし話をする事と絵、音楽だけは成績が良かったので、中学を卒業すると祖父に入門。落語家を目指したと言う、祖父から「芸は人なり」と言う生き方を学び落語の修行でも高座でもそれを忠実に実践してきていると言う。
日常の行動規範が全て芸に出るから普段の生活をおろそかにすることは出来ない、高慢になったり人を欺いたりしてはならないと自分を律し芸道に励んだと言う。そうした事が認められ異例の昇進につながったと、祖父の小さん師匠も謹厳実直な人柄で知られ、永年落語協会会長を務められ、落語家では最初の人間国宝になられた人だ。
自分の欠点をオープンにしてその上得意な分野を伸ばすよう努力すればいいと言う。
人間性が全てに表れるので日頃から社会的に正しいとされる生活をおくらなければならないと祖父からの遺言を忠実に守る稀代の落語家だ。
その落語は正に彼の生き方を如実に表した話、江戸古典の「親子酒」、「くずや」の2席を演じてくれたがこれが鳥肌もの、落語を聞いてはじめての感動だった。
歯切れが良くテンポの早い江戸落語を熱演してくれた花緑師匠
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