4月26日から仙台市青葉区のメディアテークで開催されている、没後40年を記念し開催されたレオナール フジタ展を観に行ってきた。
以前から日経新聞の特集などで興味を持っていたが、多くの作品を日本で直に観ることができるとあって期待をもって臨んだが、それはそれは期待にたがわず、実にすばらしいものであった。
ヨーロッパで最も人気のあった日本人画家と言われる彼の作品は、パリの画壇で 絶賛されたまばゆいばかりの白い画面に浮世絵を思わせる繊細な輪郭線と微妙なぼかし。大作群像はバチカン宮殿のシステーナ礼拝堂の天井画に伍する。
尊敬したレオナルド・ダビンチの作風をほうふつとさせるデッサン力のダイナミックさ、と緻密さ、宗教画的崇高さを画面から、観るものに感じさせる。
父が元軍医のトップにあったために、そのしがらみから戦争絵画製作を依頼され、軍に協力したことが、戦後世の批判を浴びた。
傷心のまま米国を経由してフランスに戻り、日本人であることを捨てて、フランス国籍をとり、キリスト教に改宗、本名、藤田嗣治から、尊敬する画家、レオナルドの名を借り、レオナール ・フジタと改名し、81年の生涯をフランスで終えるまで日本には帰国することがなかった。
西洋と東洋見事にミックスさせて、西洋画にいまだかってない画風を確立した第一人者であることは間違いない。