Truth Diary

連続射殺犯永山則夫の小説

 ゼミで彼を極悪犯罪者に追いやったものを分析研究した発表を聴いて、それに関する著作物を読んでいる。高度成長期中卒者は金の卵ともてはやされた時代。幼い頃からは母仕事が忙しくかまってやれず親子ほど歳の離れた姉が面倒を看てくれた、唯一人心をゆるした人、その姉も男女関係で破綻してそれが元で精神病院に入るようになり、兄達からも疎まれ誰一人頼る人もなく集団就職で東京に出てきた。
 生まれが北海道の網走で戸籍には無番地とあったことから、同僚に当時流行った映画「網走番外地」の影響から刑務所で出生したと揶揄されひどく落ち込んですぐさま勤め先を飛び出しその後職を転々とするも人に馴染まない孤独な性格と生い立ちの劣等感などから人間不信となり一寸した事で不遇な過去がばれるのではないかと猜疑心の塊となり次々職を変えるうちに自殺願望が激しくなりどうせ死ぬならと貨物船で密航を企てたが失敗補導され少年院に入る。
 偶然空き巣の入った米国軍人の家で隠し持っていた護身用拳銃を手に入れそれをもとに発砲殺人事件を繰り返す。逮捕され収監中に読書に没頭し、あらゆる書籍を読破自らも小説を執筆するようになる。
 学校にもほとんど行かず勉強などした事の無かった無学の彼が短期間で驚愕の学問を身につけたのは、そうした素質がもともと備わっていた事と、自分の才能に気づいて更に猛勉強した事であり、本を執筆する事で、いずれ死刑になるだろう自分の事件までの事がらを書籍でをこの世に残しておきたい、更に本の印税を被害者家族に贈る事で贖罪になると意図したのではないか。小説はいずれも几帳面に自分が体験した事柄で、地名氏名を実名で書き綴って読む人に訴えかける。

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