スイッチのオンとオフ、2進法の1と0の組み合わせ、デジタルはこの2通りの選択肢で成り立っている。デジタル社会の進展によりアナログは、マイナーな、あるいは時代遅れの感覚がないだろうか。
私が危惧するのは、こうしたトレンドに同調するあまり、人間の思考まで、白か黒かの2者選択(デジタル)や、途中の経過を無視した、近道迂回思考(ショートカット)で性急に結果を求める傾向が顕在化していないかということである。
如何に 世界最先端のスーパーコンピューターでも、人と同等にはなり得ていない、人間はなぜ世界で最も優れたコンピューターより優れているのか、それは人間は感情と、心をもっているからである。
現代科学の叡智を集めて、感情を持った、鉄腕アトムのような人工知能を研究してきたができそうにない。人間にしかない感情を無視あるいは、排除したデジタル思考化の進展は、ギスギスした人間関係をつくり、結果して10年間続く自殺者3万人超過の誘因になってはいないかと憂慮している。
時には星空を眺め、悠久の宇宙に思いをはせ、太古から現在までの時の流れの中にいるちっぽけな人間の存在を考えるとき、人間には到底及ばない自然の力に畏敬の念を抱くような、畏れや祈りが、人の多様性を容認し、受容してゆく、ファジーな人間本来の姿にアナログに回帰できることにならないか。