昨日、中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウムが、厚生労働省の主催により太白区文化センターで開催された。
以前は残留孤児と呼ばれ中国や樺太などに住んでいた時、突然ソ連軍の参戦、不意討ちに遭い家族が惨殺され、幼くして取り残されその後日本人であることを理由に、幾多の辛苦経て日中国交回復により、ようやく祖国の土を踏んだ人達だ。今年齢は70歳~75歳ぐらいの高齢となり慣れない風土や、習慣、偏見、言葉の障害など帰国後も生きるため人知れぬ苦労をしながら暮らしている人が多い。最近、山崎豊子の「大地の子」を読み、NHで製作の同名映画を全巻観た直後だったので直にそのような方のお話を伺ってみたいと出かけた。
会場内は至る所で、東北各地から集まった旧知の人達が永年使いなれた中国語で懐かしく旧交を温める姿が見られ、国内であることを疑うような雰囲気だった。同テーマを扱った「花いちもんめ」と言う劇が地元のシニア劇団により演じられた後、帰国された四名の方が壇上に上がりパネラーからの語りかけにたどたどしい日本語で話されていた。
言葉の問題で就職や役所の手続きが難しかったこと、保証人になってくれる人が居なくて困ったことなど淡々と話された。当時の事を訊かれると思い出したくないと語り拒む人もいて会場はシーンと静まり返った。遅ればせながら国民年金は全額受給対象になったとか。でも一緒に帰国した二世達は言葉の問題と偏見になお苦しんでいるとの事。れっきとした日本人さえ就職が難しい時代察するに余りある。祖国に帰って来て良かったと思っていただけるように国をはじめ皆の理解で進めてゆかねばならないと感じた。国策で外地への移住を奨励され、新天地に新たな夢を抱き移住した人達、開拓民を護るため配置されたの兵が、われ先に逃げ出し、棄民となった人達、日本おいても再度棄民としてはならない。
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