40年前アユ釣りを始めた時から玉網と呼ばれる、釣ったアユをすくい、オトリアユに鼻カンを通す時に使う用具を手作りしてきた。材料はクリスマスツリーに使うモミの木か、将棋盤などに用いられるカヤの木で、いずれも枝が左右対称に伸びてそれを円形に接着して輪にして網を取り付けると魚をすくう玉網が完成する。鮎釣師達はこの道具に凝り、手間をかけ漆を何層も塗ったり、柄の部分に鹿角を使ったりと世界に二つとない玉網を作り、釣り仲間に自慢する。さすがに網だけは編むのが難しいので、中国製のモノを利用している。以前は釣ったアユを手繰り寄せてきて掬ったので、玉網の直径は30センチぐらいだったが、近年は派手に空中を飛ばしてきてカッコよく網でキャッチする方法が全盛となり、25センチぐらいのをオトリも含めて2尾キャッチする為に枠の直径は40センチぐらいに大きくなってきている。これだけの材料となる木はなかなかなく探すのがたいへんである。先日手頃な枝ぶりを見つけ所有者の承諾を得て伐採、久しぶりに作ってみた。その流れを写真にしたので紹介する。
林の中のモミの木、枝が左右対象に伸びている
伐採して不要な枝を取り除き枠として使えるかをみる
樹皮は付いたまま、加工前
樹皮を剥いだ状態
輪状態に丸めて乾燥させ変形を防ぐ
枝の両端をハスに削りエポキシ樹脂にて接着する
漆を塗り重ね水ペーパーで研ぎ出し、柄の端に鹿角で石突を取り付け網を付ければ完成