庭の「マユミ」というビー玉ほどの綺麗なピンクの実を付ける樹が春に落葉しだしてすっかり枯れ木になった。
私は当分そのままにしてやがて根元から伐採しようとしていたら、家人が自分で根を掘り起こすという、じつは以前2,3度ほど根から掘り起こしていたいた経験があるのだ。樹の根というものは深く広く張り巡らしており、とても人力で掘り出す事は無理だからやめろと忠告したがきかず、先日朝早くからノコギリで切り倒し根を掘り出したところで私が気づきその凄まじいパワーに唖然としていたら根っこを穴から出してくれという、とても重くて出せないので根の間に詰まった土を登山用のピッケルを使って取り除き更に残った土は水道水をジェット噴射して洗い流し、軽くなった根っこを運び出した。維新の頃東北の斗南藩の人達が蝦夷地(北海道)に追払われて原野を切り拓き農業を始めた映画を観たが樹の根を掘り出すのはたいへんな労力を要する仕事で、何十人もで更に馬の力を使いという難作業、これは吉永小百合主演で「北の零年」という映画だった。これは、つい付けたしだったが
家人は当日は根っこを掘ったぞと意気軒昂で大元気だったが翌々日から腰や肩が痛いと動けなくなってしまった。
罰があたった「そらみた事か樹の祟りだ」とばかりに冗談半分で囃し立てていたがだんだん深刻になってきて、、木霊(こだま)にに苦しめられ元気な人が部屋に籠って静にしている。
昔から由緒ある樹を伐採する時は神主さんにお払いをしてもらってからでないと作業中に事故が起きて怪我や死に至る事があると村の古老に教わった。樹という生命体の魔訶不思議な力にあらた驚いている。古い言い伝えはバカにすべきでないという話。なんまいだ ナンマイダ!
切り倒した幹とその根畏るべし