Truth Diary

顧客の活躍

 本日地元紙河北新報のコラム欄に昨年秋広告の問い合わせがあり訪問したパン屋さんの事が紹介されていた。石巻市の田んぼに囲まれた一角ででカンパーニュと言う全粒粉を使ったパンを専門に作っている店だ。
 初対面で唯のパン屋さんではないと感じた教養と職人らしくない物腰。新聞のコラムで分かったことだが、ホテルの支配人をしていて大震災に遭い解雇され、求職活動で製パン技術を学び1年半前に開業、現在も被災者仮設住宅から此処の店に通っているという。物静かなご主人とは対照的におおらかで底抜けに明るい奥さんの好対照カップルで、私もその後、仕事の合間にパンを買いにいったものだった。麦の殻を取り除かない全粒粉のみ使っているから、色は全体が茶色で少し固め、ざらついた食感が食後に残るが不思議とワインに合う。
 昨年10月は登米市迫町の自動車学校で、教習指導員のトップの方が高度な自動車教習の功績が認められ、全国自動車教習協会長賞と警察庁長官賞を授与されたというものだった。
 更に約1年前には大崎市田尻の珠算教室の小学4年の生徒さんが、全国でも4,5人しかいない暗算の最高段位を取得した快挙。いずれも我が事のように嬉しくなりお祝いのお手紙を差し上げた。
 また、快挙と言うわけではないが、震災に遭われて転居を余儀なくされ仮設店舗の所在を知らせる案内看板をご注文いただいた、東松島市でたくさんの犬を津波で失われ内陸部に仮設店舗を構えたトリマー兼ペットショップ店さん、店が全壊した大崎市古川の金物店さん、店舗が全壊しアパートに仮住まいし一人で続けている葬儀屋さんの女主人等、枚挙にいとまがない。
 不自由な仮設にお住まいで、いずれも多くを語らずに前向きに明るく商売に取り組んでいる素晴らしい商人である。今の仕事がそうした方々のいくばくかの力になれれば望外の喜びである。あと2か月で震災3年目を迎える。
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