Truth Diary

北帰行

 本州北端の青森県津軽地方沿岸に伝わる話に「雁風呂」という民話がある。渡り鳥の雁は北国から日本を目指してわたってくる時海上を一気に渡れないので羽根を休める為の木片をくわえて飛んできて、津軽の浜が見えるともう少しだと安心して浜に木片を置いて帰り旅に備えるという。
 北帰行の時期が終わった春頃、浜に残された木片の数は、北国へ帰れなかった雁の数だという。命を落とした雁の供養の為に浜で木片を拾い集め風呂を沸かしたものを雁風呂と言うそうだ。自然界の渡り鳥の厳しい生活に生命のはかなさを感じつつ、人間のやさしさに心温まる逸話ではないか。北帰行が始まるせつない春だ、長い旅路の無事を祈ろう。

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