先日インタビューを受けていた若いプロ野球選手が、意外な言葉を発したので一瞬びっくりした。それは「斃れて後已む」という今では使われなくなった根性を表す言葉だ。要約すると死んでもやり抜くと言うような意味。体育会系では先輩が未だこのような精神論を説いているのだと少し可笑しくなった。また、同じく若手が大相撲69連勝で有名な大横綱双葉山が座右の銘としたと言われる「われ未だ木鶏足りえず」と言う言葉を自分の戒めに精進していると話していた。中国の古い書物礼記にある言葉で双葉山が哲学者安岡正篤より授かりこれを目標として精進した格言と言われている。何をやるにしてもバックボーンと言われるモノが必要で、そうした意味で勝負の世界でシノギを削る人にはこのような支えが必要なのだと理解した。伝統を重んじる相撲の世界のトリテキが言うのでなく近代的スポーツの野球選手が言う処が面白い。
双葉山定次の銅像