言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

誤嚥性肺炎

2020-07-16 06:27:00 | 伝えたいこと
誤嚥とは食事が唾液が食道ではなく、気管に入ってしまうことです。

誤嚥性肺炎とは誤嚥により起こる肺炎です。

誤嚥性肺炎には2種類あります。

①顕性誤嚥

これはむせ込みを伴う誤嚥です。

食べ物や唾液が気管に入るとむせ込むと思います。

むせ込みとは気管から異物を喀出しようとする防衛機能です。

むせ込みがあるに防ぎきれずになってしまう誤嚥です。

②不顕性誤嚥

これはむせ込みを伴わない誤嚥です。

食べ物や唾液が喉ちんこの辺りを通過する時に反射的にゴックンが起きます。

また気管に入りそうになると反射的に咳が出ます。

疾患により喉ちんこ周辺の感覚が鈍麻すると、食べ物や唾液が反射が起こるポイントを通過するのを気づかずに気管に入り誤嚥してしまいます。

また不顕性誤嚥がある方は寝てる間に唾液が気管に入り誤嚥性肺炎になってしまうリスクがあります。

【予防方法】

①口腔ケア

口の中が不衛生だと、気管に入る食べ物や唾液にバイ菌が付いて誤嚥性肺炎になるリスクが高まります。

食後や寝る前に歯磨き、舌磨きを行います。

誤嚥性肺炎になり易い方は食前に行うのも効果的です。

②体力の維持向上

気管に入った際に力強く咳をして、食べ物や唾液を喀出できれば誤嚥性肺炎になるリスクは軽減します。

反対に喀出できなければリスクは上がります。

③自分に合った、食事内容にする

例えば歯が悪くしっかり噛めないのなら柔らかい食事にする。水分でむせ込むのならトロミを付けるなど。むせ込まないない食事内容になるとリスクは下がります。

自分では分からない場合はかかりつけ医に相談してみて下さい。

④寝ている間に唾液を誤嚥する場合は、ベッドがギャッジアップできるタイプは10度から15度程度上げたまま寝るとリスクは下がります。

ギャッジアップできないタイプや布団で寝てる方はマットや毛布などで上半身を少し高くしてみて下さい。


食事や発話に関わる口の周囲の器官も筋肉で構成されています。

加齢により足腰が弱るの同様に口の周囲の筋肉も弱ります。

最近、むせ込みは増えてませんか。

独居の親類は痩せてきてませんか。

上記の内容はごく一部を簡潔に書きました。

詳しくは主治医や言語聴覚士に相談してみて下さい。

今日はまだまだ不顕性誤嚥の存在が認知されていないと思い書きました。