言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

言われるとできなくなる理由

2021-07-21 06:26:00 | 日記
今日からオリンピックの競技が始まります。

オリンピックに出るような一流のアスリートを見ていると

見惚れるほどに、華麗で美しく、そして自然体で競技をしています。

人間の脳は言われてやる行為(意識的な行為)と自発的な行為(無意識的な行為)では使う部分が異なります。

例えば、脳梗塞などで脳に障害が起きると

日常では歯磨きができるのに

「歯を磨いてください」や「歯を磨く動作をやってみてください」と言うと

途端に動作がぎこちなくなりできなくなる場合があります。

これを失行症といいます。

スポーツでは初めは、人から習ったり、真似たりして技術を獲得します。

それを試合や競技で自然に行うには、無意識でできるようになるまで反復するしかありません。

そう考えると、アスリートがどれだけの努力を積み重ねてきたか想像もできないです。

自国ももちろん応援しますが、全員のアスリートが怪我なく頑張って欲しいです。


我が家では今日から小学生の娘達が夏休みです。

こちらも人から言われたらできなくなる事があります。

そうです。宿題です。

心理的に人から言われたらモチベーションが下がることを

“心理的リアクタンス”といいます。

人は生来的に自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求があります。

しかし、それを他人から強制されたり奪われると、例えそれが自分にとってプラスの提案であっても無意識的に反発的な行動をとってしまいます。

言えば言うほどやる気がなくなり、やらなくなるのですね。

言われた人はやれと言われたことに注目をしないで言われた内容を自分に活かせるように咀嚼し直すことが大切です。

言う人は相手が心理的リアクタンスが起きないように伝え方に注意する事が大切です。

私は子ども達の宿題はやりなさいと言いません。もちろん手伝う事もしません。

宿題よりは楽しい思い出作りを手伝おうと思っています。

言われてやる勉強より楽しい思い出の方が財産になるからです😊