言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

親心の誤解

2022-07-02 09:51:00 | 日記
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

昨日は頑張って独居を継続されていた、
進行性の難病を患われている男性の
施設入所に伴い担当者会議に参加しました。

施設入所のきっかけはキーパーソンの娘さんの出産でした。

おめでたい事ですが、買い物や通院、各種サービスの窓口を担っていた娘さんが援助から離れる事は

施設入所に直結してしまいました。

またご家族としては一人暮らしを継続する事に不安があり、施設入所するいい機会になったと感じておられます。

10年前に奥さんを失い、半年前まで孫と走りながら遊ぶことができていた方です。

心の整理がついていないようでした。

本人は出産が終わり、娘さんが落ち着いたら家に帰ることができると考えていました。

しかし、家族は安全のためにもこのまま入所をして欲しいと考えています。

祖父は孫の誕生のためなら喜んで生活環境を変えることができる。

と思っているのは子どもや孫の幻想です。

施設入所は悪い事ではありませんが

まずは本人様に納得していただくことが大切です。

誰だって子どもや家族に迷惑をかけることを望んではいません。

この気持ちの捻れが数ヶ月後に大きな事にならない事を祈ります。

この方は失語症状もあり意思表示がうまくできません。

私は言語聴覚士として意志を確認して、
本人主体の最期を迎えられるよう支援します。