言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

戦争

2022-04-21 06:26:00 | 伝えたいこと
私は訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

昨日は高齢の夫婦でお住まいの家に伺いました。

戦争の話題となり86歳の奥さんが体験を赤裸々に語ってくださいました。

当時8歳
人々が逃げられないように湾岸部から山間部にかけて焼夷弾が雨のように降ってきました

空が赤く、黒煙に覆われ、爆撃の音も脳裏から離れません。

父は戦死しており、私と母と双子の弟で必死に逃げました。

私はまだ小さかった弟をおんぶして、右手には教科書を詰めたカバンを持ち、そして頭に布団をかぶり逃げました。

母親に「カバンなんか捨てなさい」と言われましたが当時は絶対に捨てたくありませんでした。

泣く暇もなく必死で母親について逃げました。

空襲は私の家のすぐ手前で終わり家は焼けませんでした。

という内容でした。

ブログに載せるために省略した部分もありますが、細部の状況まで細かく覚えておられました。

体験して感情に強く結びついた記憶は残りやすく、またこのようにアウトプットした記憶は忘れる事はありません。

最近のロシア、ウクライナの戦争のニュースを見るたびに、このことを思い出し深く悲しい気持ちになるそうです。

今、空から爆弾が落ちてきて死ぬかもしれないのに、未来の自分のために教科書を持って必死に逃げる子どもたち。

何が正義で何が正しいか分かりませんが

戦争という方法が正しくない事は明確です。




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