言語聴覚士の独り言

言語聴覚士の日記

娘が弾くピアノ

2023-04-18 21:04:00 | 日記
娘のピアノの練習を聴くのが好きです。

上手な人が弾く音色が芸術だとすると、

娘が弾く完成されていない音色は

なんだか私が過ごす日常のようです。

また、娘の幼少期を思い出します。

上手く歩けないのに、笑顔で走っていた頃を。

芸術は人生を豊かにしてくれます。

本当の幸せは何気ない日常にあります。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)

2023-04-16 20:17:00 | 映画
4月14日から公開されている映画

名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)

を今日、子どもたちと見に行ってきました。

〈ストーリー〉

インターポールが新しい顔認証システム“老若顔認証”を開発します。

それを使えば幼少期の顔の映像があれば骨格を分析して現在の顔と照合できます。

黒ずくめの組織はそのシステムを悪用しようとします。

コナンや灰原哀は薬によって子どもの姿になっています。

このシステムで子どもになって生存している事が組織にバレれば殺されてしまいます。

そんな中、灰原哀が誘拐されます。

さあコナンたちは灰原哀を守る事ができるのか⁉︎


アニメでしか表現できないアクション
大人でも楽しめるストーリー
個性的なキャラクター
淡い恋愛

楽しめる要素が満載です。

41歳の私が涙して

中学生の娘は推しキャラの決め台詞で歓声をあげ

小学生の娘は声を上げて笑って

5歳の息子は少し怖く私の手を握っていました。

終わった後は皆んな大満足な所が名探偵コナンシリーズの凄いところです😊




能力至上主義はもうやめよう。

2023-04-15 12:11:00 | 伝えたいこと
小学生になると成績表に数字が並ぶようになります。

便宜上、優劣を付けます。

優劣を付ける事で、選別やグループ分けが行い易くなります。

また頑張る意欲につながる事もあるでしょう。

しかし、その数字で表した優劣が個人の能力ではありません。

能力とは個人の特性×環境で決まります。

つまり能力は個人の力で完結できるものではないという事です。

例えばコミュニケーション能力をみてみます。

コミュニケーション能力が高い人を想像すると

・誰とでも流暢に会話ができる
・人前でも上手く立ち回れる
・人の話を聞く事ができる

などを挙げると思います。

しかし、このような事ができるコミュニケーションスキルが高い人でも環境が合わないとスキルを発揮できません。

クラスの人気者が怖い先生の前ではうまく話せない。
芸人が医学学会で壇上に立たされても固まってしまいます。

また、話し下手でも信頼関係の構築が非常に上手く人が集まってくる人もいます。

コミュニケーションスキルがあっても環境を間違えると上手く発揮できません。

スキルがなくても環境を捉えることができれば目的を達成することができるという訳です。

しかし世の中では便宜上普遍的な数字で表した優劣を能力と捉えてしまい、個人の特性ばかりに目を向けてスキル向上ばかり頑張る傾向があります。

それには終わりがなく、上には上がいます。
疲れてしまいます。

では能力向上ではなく何を頑張ればいいのか?

どのように生きていけばいいのか?

普遍的な数字で表した優劣を競うのではなく、固有の環境を育てる事です。

他人にはモテないけれど妻には愛されている。

学校ではいじめられているけれど、サッカークラブでは仲間とサッカーを楽しめている。

環境に適合していない事を個人の能力が原因だと考えるのではなく、

合う環境を大切にしていく事が重要です。

言い方を変えると能力を武器に世の中を渡っていくのではなく、世の中の物語の中を生きていくと考えると生きやすくなります。

自分1人の能力で結果が決まる訳でなく、自分も影響を与える事もできるけれど、結果は設定や登場人物、運や偶然に左右されて決まっていきます。

今回の物語は上手くいかなかったけれど、次のページでは上手くいくかもしれないと進んでいきます。

今回の話の最後です。

例外なく人は老いて死にます。

老いた時に能力至上主義だと、老いと共に能力は衰え喪失感に苛まれます。

固有の環境を育み、比較することなく小さな幸せを感じる事、

未来からの逆算ではなく、物語として目の前のことを楽しんで生きる。

このように考えると少し楽に生きていく事ができ、自分にも他人にも優しくなれそうです。

あなたの喜ぶ顔が見たい

2023-04-12 22:37:00 | 日記
老夫婦がお茶を飲んでいます。

老婦が席を外した隙に老父が自分のお茶と老婦のお茶を交換します。

何も知らない老婦がお茶を飲もうとすると、

茶柱が立っている事に気づいて老婦は笑顔になります。

「あなたの喜ぶ顔が見たい」



こんな老父に私はなりたい。

存在自体が役に立つ

2023-04-07 23:09:00 | 日記
警察官の仕事は犯罪者を逮捕することです。

また、警察官が町にいるだけで犯罪の抑止効果があります。

これも重要な役割だと考えられます。

私は言語聴覚士として訪問してリハビリを提供する仕事をしています。

ご利用者と一緒に訓練を行い、食べられるようになったり、話がうまくできるようになるなどQOL(生活の質)を向上させることが仕事です。

しかし、警察官同様に存在自体が仕事と感じる場合もあります。

入院中に絶食となり、経管栄養のまま退院され、口から食べることを諦めずに言語聴覚士のリハビリを希望される方の中には

私(言語聴覚士)が関わると既に食べることができる方がおられます。

入院中に食べることができない。食べると誤嚥性肺炎になると言われるも退院してから元気になり食べる事ができるようになっているにもかかわらず気付いていないケースです。

私は訓練もしますが食べられる事を医師に伝えて口から食べる許可をいただいて食形態や姿勢など助言を行います。

言語聴覚士が何かを提供するというよりは関わる事自体が役に立つ感じです。

私は常々もっとご利用者の役に立ちたいと知識の更新やスキル向上を意識しています。

しかし、役に立てないと感じることが多く無力感に押し込まれる時があります。

そういう時に口から食べることができるようになり喜ばれているご利用と関わり、少しでも役に立てると嬉しい気持ちになります。

この『存在自体が役に立つ』という事は仕事以外でも言えると思います。

“自分”の存在価値を見出せない時や無力感に襲われる時は

自分の属するカテゴリーを挙げてみます。

私の場合であれば

両親の息子 
⇨元気でいるだけで喜んでくれます。

子ども達の父親
⇨いい親ではないかもしれませんが、守ることができます。

妻の相方
⇨迷惑かけてばかりですが、笑顔にすることができます。

友達の友達
⇨一緒に遊んだり話を聞いたりできます。

家族や友人や所属だけでなく、極論生きているだけで消費者として誰かの役に立っています。

存在自体に価値があると分かれば、無力感や存在価値がないと悩むことはありません。

もっと役に立つためや、存在価値を高める努力をポジティブに進める事ができます。

存在価値の理想を追うだけでなく、存在しているだけで価値があると知っていると少し肩の力を抜いて生きていけそうです。